自民党の別の閣僚経験者も、微妙な空気の変化を気にしている。
「私の流儀だとイキって見せたり、週刊誌より秘書を信用するとか、文春の有料動画になぜ金を払うのかとキレられたとか、余計な事を言い過ぎた。夜中に秘書に何度も電話したが出てくれなかったとか、関係ない秘書の病状のことまで答弁するなんて、何を考えているのか分からない。ウチの秘書も、さすがにあんなこと言っちゃダメですよね、とあきれていた。もともと面従腹背の議員が多かったが、いよいよ首相を支えようという党内の空気が薄くなってきたような気がする」
「再来年の参議院選挙までは何も変わらない」
ただ、高市首相を支える党幹部は強気の姿勢を崩していない。
「この問題自体は、たいしたことじゃない。自民党総裁選は、公選法は関係ないから中傷動画は違法でもなんでもない。総選挙で他党の候補を批判するなんてどの党もやっている。それに、野党がどんなに騒いでも、バラバラのままでは何の力もない。自民党内が盤石であれば大丈夫。高市政権はこのくらいではビクともしませんよ」
確かに野党側を見ると、中道改革連合と公明、立憲が合流できないだけでなく、重要法案への態度もバラバラだ。
△国家情報会議設置法案では、中道と公明が賛成、立憲は反対、△健康保険法案では、中道が賛成、立憲と公明は反対。△安定的な皇位継承に関するとりまとめも、中道と公明は「了」、立憲は女性皇族の身分保持のみ賛成、というように3党の足並みがなかなかそろわない。3党の合流は無理だと公言する小沢一郎氏だけでなく、立憲のなかにも、合流への慎重な見方が根強い。
「それに」とこの幹部は続けた。
「再来年の参議院選挙までは何も変わらない。このまま支持率が下がらなければ来年秋の自民党総裁選も波乱は起きない。だとすると、いま、執行部に逆らっても何もいいことはない。『国力研究会』がいい例だ。反高市のあぶりだしだ、大政翼賛会だ、と自民党内にも様々な声があるが、ともかくバスに乗り遅れるなという結果だ。高市政権に逆らおうという者はいなくなりますよ」
空虚な“347人議連”
高市首相と近い山田宏氏が、高市首相の後ろ盾の麻生太郎氏らにもちかけて結成された高市政権を支えようという議員連盟「国力研究会」だが、冷ややかな見方をしている自民党関係者も少なくない。
「派閥は100人超えたら統制が取れなくなるので危ないと安倍晋三氏も言っていたが、347人の議連なんか、意味がない。ポストの配分もできない。麻生さんに逆らいたくない、睨まれたくない、というだけだ。麻生さんがご執心の皇室典範の見直し一つとっても、内心はこんなことやっていると世論を敵に回しかねないと心配している議員もいる。そんな意味もない議連だよ。大騒ぎしたけど、いずれなくなるんじゃないか」

