海外に移住する富裕層が急増している

では、彼らは何に怯え、いくら払って国籍を買っているのか。

答えは案外、陰謀めいてはいない。富裕層が第二、第三、第四の市民権(Citizenship by Investment = CBI)を集めている理由は、国内の政情不安や国際的な不確実性へのヘッジであり、いわば「パスポート・ポートフォリオ」の構築である。

富裕層の移住支援を手がける英コンサルティング会社、ヘンリー&パートナーズが発表したデータや予測によれば、国境を越えて移住するミリオネア(100万ドル以上の投資可能資産を持つ富裕層)の数は、2013年の5万1000人から、2024年には12万8000人規模へと急増し、2025年から2026年にかけてもこの高水準のトレンドが継続している。