地上戦の覚悟はなかった

私が専門にしている歴史研究から、朝鮮戦争の事例を挙げると、国連軍の司令官だったマッカーサーはある時期までは北朝鮮を打倒する、無条件降伏を突き付けると言って北緯38度線を超えて進撃しましたが、中国軍の参戦という予期せぬ事態を招きました。

そこでマッカーサーは中国に対する核兵器の使用にまで言及し、事態をエスカレートさせるぞと匂わせて優勢を維持しようとしたのです。しかしさすがに核使用をほのめかすマッカーサーを許容できないと、トルーマン大統領は1951年4月にマッカーサーを解任。朝鮮戦争は休戦会談へと進んでいくことになりました。

1950年9月15日、米海軍艦「マウントマッキンリー」から仁川砲撃を見るコートニー・ホイットニー准将、ダグラス・マッカーサー大将、エドワード・アーモンド少将(右)
1950年9月15日、米海軍艦「マウントマッキンリー」から仁川砲撃を見るコートニー・ホイットニー准将、ダグラス・マッカーサー大将、エドワード・アーモンド少将(右)[写真=Nutter (Army)/PD US Army/Wikimedia Commons

事態をエスカレートさせる場合には、アメリカもそれに伴う犠牲やコストを払わなければなりません。しかしトランプ大統領にその覚悟があるかと言えば、疑わざるを得ないのが現状です。