会社は「給料をもらう場」と割り切る

会社を辞めたあとに、新たな人間関係を作ろうと思っても、なかなかうまくいかない人もいます。原因のひとつは、その時期になってから新しい環境を求めるのでは遅い場合が多いということです。

男性の場合、年齢とともに男性ホルモンがだんだん減って、生理学的に意欲が落ちてきます。そのため、新しく趣味を始めることや人づきあいそのものが億劫になってしまいます。女性は逆に、更年期後に男性ホルモンが増えるとされているので、活力が生まれます。おばあちゃんになってからも、新しい友達を増やして、人間関係を広げることが上手です。そのため、いくつになっても友達と一緒に楽しくおしゃべりしている人が多い印象です。

シニアゴルファーとヤングゴルファーがゴルフコースで一緒にゴルフを楽しみ、絆を深めています
写真=iStock.com/Duangjai Manoonthamporn
※写真はイメージです

もし、だんだん新しい人間関係を作るのが難しくなってきたと感じるのであれば、本来なら50代の頃から新しい人間関係を築き始めるのが理想です。50代になると、多くの人は出世競争や取締役レースにすでに敗れていて、もうこれ以上の出世は見込めないのではないかと諦めの気持ちを抱いている時期です。

ですから、ここで発想の転換をしてみましょう。会社はすでに忠義を捧げる場でもなく、自己実現をするための場でもなく、給料をもらうところと割り切って考えるのです。そして、これからの人生を生きるために必要な、会社以外の新しい居場所を作ることを心がけたいものです。

友人作りは思い立ったが吉日

そこそこ責任も課せられてやりがいを感じて仕事に打ち込むのも悪くはないでしょう。けれども、どんなに頑張ったところで、会社はある一定の年齢までしか置いてくれません。ある程度給料をもらっているし、それなりの地位にもつかせてもらっているのだから頑張らなくては、と忠誠心を発揮しても、結局いつかは必ず離ればなれになる関係であり、その時に寂しい思いをするのは自分だけという現実を考えた方がいいでしょう。

書影
和田秀樹『60歳からの人間関係整理術』(河出新書)

いざ仕事を辞めてから、新しい趣味と新しい人間関係を作ろうとして手近な地域のサークルやボランティア集団に参加したとしても、そこですぐにいい関係ができるとは限りません。手近な集団にはすでに序列があって、その場を仕切っているボスがいたりするものです。新しい趣味と人間環境のどちらにもすぐ馴染めるとは限らず、かえってストレスの種になってしまうこともあります。いきなりすでに出来上がっている集団に飛び込むには、ある程度の忍耐と覚悟が必要です。

新しい趣味を作ることや人間関係を広げることは、仕事を辞めて時間ができてから始めようとするのではなく、できるだけ早く、思いついた時からじわじわと始めておくようにしたいものです。

では、それほど気負わずに普通に気の合う人を探すにはどうしたらいいのでしょうか。たとえば、会社の人と一緒にゴルフに行ったとしたら、そのゴルフ場に来ている他の人とも話をして、できることなら仲よくなって知り合いを増やしておくというようなふてぶてしさがあっていいと思います。

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