「落としどころ」をどう考えるか

今回、内々で野党が「この問題を新たなモリカケにしたくない」といって着地を模索し、第三者委員会による調査を求める理由は、ネットと政治の関係をもう少しちゃんと整理したいということに尽きます。単に首相の資質を問うためではなく、選挙とSNSの関係を立法として適切に規律するための事実解明が必要になってきているのです。

松井健さんが本当に「一日100本から200本の中傷動画を作成した」のかどうかは別として(彼にそんな技術はないのではないかと思われます)、これらの政治家や政党、政権に対する中傷動画がどういう仕組みで制作・拡散されたのかの実態が解明されなければ、規制の設計もできません。政治的な問題と制度的な課題を切り離して考えることが、いまもっとも求められている視点です。

関係機関内でも、公明党を中心に選挙関連動画の収益停止義務化や、KYC(本人確認)のプラットフォーム事業者への義務付けといった方向性で法整備の協議をするべきじゃないかという話になってきており、ここは着地点として官邸と野党の間で握れるゾーンになってくるかもしれません。

まずは問題を認め、事実関係の究明を

また、言い方は悪いですが、何かのシノギに政局ネタが利用されていているのではないかという話になると非常にだるいので、今回は特に、反社会的勢力などによる動画サイトやSNSの悪質な利用については、厳格に判断してBANすべき、という話が持ち上がってきています。振り返れば、NHK党立花孝志さんと同党から出馬したガーシーさんの件も、収益停止やBANが行われています。

ただし、その着地に向けた最大の障壁は、法整備の中身でも野党との折り合いでもありません。ごく単純に、高市早苗さんが首相として問題を率直に認め、答弁の修正や事実関係の究明に向けてきちんと歩を進めることに意味や価値があるのではないかと思われます。

一般論として、過去の政治においても「脇が甘い」事案から議員辞職だけでなく政権そのものが危機に晒されることは起きてきました。その脇の甘い先は、単に利益供与というだけでなく、標榜右翼だったり反社会的勢力だったりした経緯はあります。インターネットが成長し、これらの動画サイトやSNSにあからさまなマズい人たちが名声を得て情報商材を売り利益を上げるケースもまた後を絶たず、今回の件を機にこれらの件でメスが入ることはあるのでしょうか。

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