自律神経の乱れをチェックする方法

スマートフォンの通知やSNSによる絶え間ない刺激は、脳に小さな緊急事態を何度も発生させ、交感神経というアクセルを踏み込み続ける状態を作りだしてしまうからです。

その状態が続くと、迷走神経による回復モードがうまく発動しにくくなり、心身は慢性的な疲労へと傾いていきます。

こうした目に見えない自律神経のコンディションを知るうえで、重要な指標となるのが心拍変動(HRV)です。

これは心拍の安定性を見るものではなく、むしろ心拍のゆらぎ、つまり拍動ごとの間隔のバラツキを測る指標です。

ストレスが少なく、迷走神経がうまく機能しているとき、心臓のリズムは外部環境に応じて柔軟に変化し、そのゆらぎは大きくなります。

逆に、不安や過労によって心身から余裕が失われると、心拍のリズムは遊びのない機械のように一定になっていきます。

この「ゆらぎの低下」こそ、脳と身体が悲鳴を上げている隠れたサインなのです。

胃の痛み、下痢、便秘、食欲不振、過食…

自律神経の調整力が落ちた結果、その不調は、もっとも敏感な器官の一つである胃腸へと波及します。胃の重さや痛み、あるいは下痢と便秘の繰り返し、食欲不振や過食といった反応。これらはすべて、身体が懸命に発しているSOSにほかなりません。

また、強い不安や緊張が続くと、腸は刺激に対して敏感になり、普段なら気にならない腸の張りや動きまで、つらい症状として感じやすくなります。

つまり、同じ胃腸の動きであっても、脳が警戒モードにあるときには、より強い不快感として受け取られやすいのです。

朝はなんともないのに、通勤前になると急にお腹が痛くなる。大事な会議や面談の前に、胃がキリキリと痛む。人間関係で強いストレスを感じている時期だけ、便通が大きく乱れる。こうした症状が現れるのはそのためです。