半導体部門か、それ以外かで格差100倍

世界的にAI(人工知能)の開発は加速し、高性能の半導体に対する需要は大きく伸びた。それによって、大手半導体メーカーの業績は急拡大している。いわば、AI特需ともいえるだろう。

このAI特需の恩恵を受けている企業の一つが韓国サムスン電子だ。業績の急拡大に伴い、サムスン電子の半導体部門の従業員は約6億ウォン(約6500万円)という常識では考えにくい高額なボーナスを受け取る見込みだ。

夜のサムスンのオフィスビル
写真=iStock.com/Robert Way
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一方、それ以外の部門の社員は600万ウォン(約65万円程度)にとどまるとの見方がある。その差はあまりにも大きい。社内ではかなりの軋轢が生じているようで、今後の同社の運営に支障が出ると危惧する専門家もいる。

抗議集会、労働組合分裂、内部対立…

サムスン電子は、業績連動型のボーナスについて、事前に制度を十分に説明していなかったようだ。今回の多額ボーナスでは、半導体部門の労働組合員の要求や、経営陣との人的なつながりに影響されたと言われている。

そうしたボーナスの決め方に、疑問を持つ社員が出るのは当然だろう。同社の半導体以外の部門の従業員や、労働組合の一部が抗議集会を起こした。労働組合も分裂した。業績拡大は企業の成長に必要だが、組織の円滑な運営には内部対立は避けなければならない。

過去、米国などでは、社員間の賞与額などの格差が拡大し、事業運営に行き詰まった企業もあった。企業の経営者にとって、組織全体が向かう方向を一つに示し、成長に貢献した部署、人材を“公正”に評価する制度の必要性は高い。わが国の企業も、サムスン電子の高額ボーナスによる組織対立を教訓にすべきだ。