四半期ベース売上高は過去最高の19兆円

近年、サムスン電子の業績は非常に好調だ。けん引しているのは、メモリー半導体部門である。AIの開発と利用の加速度的な増加により、演算装置以上に記憶装置の需要は供給を大きく上回った。過去1年間に、一時的なデータの保存に使うDRAMの価格は6倍上昇したといわれている。

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Samsung PC3200U-30331-Z 256MB(写真=CrazyD/CC-BY-SA-3.0-migrated/Wikimedia Commons

メモリー半導体の価格上昇を背景に、今年4〜6月期、サムスン電子の売上高は同2.3倍の171兆ウォン(約19兆円)、営業利益は前年同期比19.1倍の89兆4000億ウォン(約9兆円)だった(速報)。いずれも、四半期ベースで過去最高だ。

一方、半導体以外の事業部門の収益は、中国企業との競争激化などの影響もあり、あまり振るわなかった模様である。

韓国では、メモリー半導体大手のSKハイニックスの業績も好調だ。昨年、SKハイニックスの労働組合は賞与の上限撤廃を求め、経営陣はこれを受け入れた。その後、全従業員に一律で、基本給の2964%相当の成果給を支給したと報じられた。年俸1億ウォン(約1090万円)の社員だと、ボーナスは約1億4820万ウォン(約1600万円)だったといわれている。

今年度のSKハイニックスの営業利益予想は266兆ウォン(約28兆円)に増加するとみられる。単純平均で従業員一人当たり約7000万円のボーナスを受け取る可能性があるとの報道もあった。

ライバル企業に続き、賞与上限を撤廃

こうしたSKハイニックスとのボーナス格差に、サムスン電子の一部労働組合参加者は不満を表明した。また、労働組合に新たに参加して、賃上げを経営陣に求める半導体部門の従業員も増えた。若手を中心に、SKハイニックスに転職する人も増えたとも報道された。

2026年5月には、サムスン電子では、半導体部門の労働組合員が強硬にボーナス引き上げを求め、ストライキ寸前まで経営者との対立が先鋭化した。事態を重く見た韓国政府の介入もあり、サムスン電子は組合が求めた賞与の上限を撤廃し、ストライキを回避した。

その結果、本年、サムスン電子半導体事業部門の従業員の一部は、自社株の支給などで最大6億ウォン(約6500万円)のボーナスを受け取る模様だ。中には、巨額の自社株を手に入れた「にわか資産家」として注目を集める若手社員もいるようだ。