「古畑」の大きな特徴
『古畑任三郎』には、倒叙ミステリー以外の特徴もある。刑事ドラマなのに会話劇という点だ。このあたりは、シチュエーションコメディ『やっぱり猫が好き』(フジテレビ系、1988年放送開始)で頭角を現わした三谷幸喜の本領である。
推理力に秀でた古畑は、早々に怪しいと目星をつけた犯人を言葉だけでじわじわ追い込んでいく。普通の刑事ドラマのような取調室の場面やアクションシーンはない。刑事ドラマとしては異色だ。
捜査とは一見関係なさそうな何気ない会話をにこやかに交わしながら、ちょっとした言葉の矛盾などを突いて犯人をじりじり追い詰め、最後は観念させる。むろん犯人の側も、そうはさせまいと口八丁手八丁で古畑に対抗する。そんな犯人との虚々実々の駆け引き、心理戦が『古畑任三郎』の面白さのエッセンスだった。
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