プライドの高さが家計を圧迫させる

Aさんの様子が変わったことで、本人を問いただしたAさんの奥様は、降格や年収ダウンとなったことを知り、次のような不安が生じます。

・上の子が私立高校、下の子が私立中学に同時入学した2025年あたりから生活は急に厳しくなった(入学金などが重なり、カツカツ状態)
・さらに降格で収入がダウンして以降、毎月貯蓄を20万~30万円取り崩すようになった

奥様はそれでも子どもは希望通り2人とも私立大学へ進学させたいのと、Aさんの希望で、定年退職まではマンションや車の売却はしたくないということから、この状態で老後の資金は確保できるか、という相談を筆者は受けました。

まず、現在の毎月の支出状況を確認すると次のとおりでした(図表2)。

【図表2】Aさんの家庭の支出額
筆者作成

やはり、住宅ローン等の住まいにかかるお金と教育費の大きさが家計を逼迫させています。貯蓄額は2025年の時点で1500万円ほど。Aさんはプライドが高いため、「定年退職まではタワマンを出たくない」と言っているそうですが、このままでは貯蓄は枯渇してしまいます。

通帳を前に、頭を抱える男性
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

返しても返しても元金が減らない

Aさんの住宅ローンは次のとおりです。

・変動金利型(5年ルール・125%ルール適用)毎年4月・10月に金利の見直し
・35年ローン 元利均等返済、ボーナス返済なし
・現在の返済額:毎月20万9441円

Aさんの住宅ローンは、5年ルール適用のため、2029年4月に返済額がアップする予定です。しかし、2029年4月までは毎月の返済額は変わりませんが、変動金利型ローンは半年ごとに金利が見直されるため、次のように内訳(元金と利息)は確実に変わっています(図表3)。

※金利が上がると、毎月の返済額が変わらなくても、支払う利息の割合が増えて元金(ローンの元本)が全然減らなくなる(未払利息のリスクが生じる)

【図表3】Aさんの住宅ローン金利推移と返済額の内訳
筆者作成

そして、2029年4月以降の返済額は、毎月23万8833円(+2万9392円)となります。