中国はどれくらい持ちこたえられるのか
中国海関総署によると、4月の中国の石油輸入は前年同期比20%減の3850万トン(日量940万バレル)となった。これは2022年7月以来の低水準だ。
この縮小は予想されていた。ペルシャ湾を出発したタンカーが中国に到着するまでには数週間かかるためだ。S&Pは、中国が今月から備蓄の取り崩しを始めると見込んでいる。
しかし、中国の石油備蓄の枯渇は近いわけではない。メイダンは「中国が何カ月もの間、原油不足に陥るリスクはない。問題はコストと、より広範な経済的影響だ」と述べた。「供給不足は大きいが、その一部を代替する能力も大きい」
メイダンによると、仮にホルムズ海峡が完全に封鎖されたとしても、中国はロシアの制裁対象原油を含め、中東以外の供給国からなお石油の60%を調達できるという。
「国内需要も比較的弱いため、中国の製油業者は製油所の稼働を減らしている」
エナジー・アスペクツのシニア石油アナリストである孫佳楠(スン・チアナン)は本誌に対し、中国の供給損失(混乱時に遮断される可能性のある原油輸入)の割合は、イランを除く湾岸地域の量で見ると、2025年平均を基準として総輸入量の20%未満に相当すると述べた。
中東産の石油は、中国の原油輸入のほぼ半分を占める。アメリカの制裁のため、中国の税関データはイラン産原油の輸入を公式には記録していないが、分析会社Kplerは、イラン産原油が中国の総輸入量の約13%を占めると推計している。
こうした積み荷は主に、いわゆる影の船団によって運ばれ、中国の「茶壺」製油所(国有企業に属さない、独立系の小規模地方製油所)に届けられる前に、船から船へ移し替える作業を経て引き渡される。
「茶壺」製油所は主に山東省に集中している。エコノミスト・インテリジェンス・ユニットの推計によると、「茶壺」製油所の石油精製能力は中国全体の25~30%を占めると推定される。
他国に燃料を輸出
エネルギー供給の混乱により、日本と韓国は戦略備蓄の取り崩しを迫られ、ベトナムやフィリピンなどの東南アジア諸国は、急騰する価格を和らげるために燃料節約策や財政措置を導入することになった。一方、中国は大幅な措置を取る圧力をあまり受けていない。
おかげで中国は、国内の燃料供給を守るうえで、必要な措置を見極めて打つことができた。例えば、3月12日には製油業者に燃料輸出の停止を命じている。
当初の措置は、一部の近隣諸国の経済に打撃を与えた可能性がある。それでもその後、ガソリン、ディーゼル、ジェット燃料という3つのクリーン燃料においてアジア第4位の輸出国である中国は、オーストラリア、マレーシア、スリランカなどへの輸出を再開した。これは当局が国内在庫は安定していると判断していることの証左だ。
ロイターは、事情に詳しい匿名の情報筋の話として、国有エネルギー企業が5月時点で、合計50万トンの燃料(日量約1万6700トン)の輸出を認められていると報じた。これは4月に承認された日量約1万700トンの2倍以上となっているものの、Kplerによると、2025年平均である日量5万3000トン超は大きく下回っている。
こうした取り組みは、エネルギーが不足している地域への支援を行うという中国外交部の約束に沿うものだ。メイダンはこの措置について、シノペックのような中国国有エネルギー大手が国際的な利益率の上昇から利益を得ることを可能にするだけでなく、「地域経済を支える善意の表明」としても機能していると述べた。
一方、中国は液化天然ガス(LNG)については余力があまりない。LNG輸入の約30%をカタールとアラブ首長国連邦から得ているため、湾岸の海運ルートの混乱にさらされやすいのだ。


