ちょうどいい負荷が記憶を定着

単に教科書を読み直すだけの時、脳は「ああ、これ知ってる」と情報をスルーしてしまい、この「記憶のアップデート(再固定化)」が十分に起きません。

しかし、本を閉じて「自分の頭だけで思い出す」というちょうどいい「筋トレ」を脳に与えると、脳は必死になって、神経回路をより強くつなぎ直そうとします。思い出せそうで思い出せない苦しさこそが、脳の筋肉がパンプアップされている瞬間なのです。

実践ステップ

① テキストやノートなど、今学んだものをいったん閉じる。

② 学んだことを自分の頭だけで「えーっと、なんだっけ」と思い出してみる。

③ 思い出せなかった部分だけを重点的に復習。

アドバイス
電車の中など、書くものがない時でも「今日の授業で先生が言った中で、一番重要なことは?」と心の中で問うだけで効果があります。スマホを見る時間を5分削り、「脳内クイズ大会」を開催するだけで、定着率は劇的に変わるのです。

テストは「嫌なもの」ではなく「最強の学習ツール」

「来週テストをします」という先生の言葉。教室中から重いため息が漏れる。テストは「実力を図るツール」。自分の足りない実力が明らかにされてしまうのは気が重い……。

しかし、それは大きな誤解です。テストは成績をつけるための道具ではなく、「記憶を定着させるための最強の学習ツール」としてとらえるべきなのです。

日本の簿記の質問と鉛筆
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

これを決定づけたのが、ワシントン大学の実験です。まず、学生に科学的な文章を読ませ、その後2つのグループに分けて学習させました。

● Aグループ(再読群):テキストを計4回、繰り返し読む。
● Bグループ(テスト群):テキストを1回読み、その後3回、何も見ずに思い出すテストを受ける。

直後のテストでは、直前に読み込んでいたAグループの方が成績が良い傾向にありました。しかし、1週間後のテストでは結果が大逆転し、テストを受けたBグループの方が、Aグループよりも約50%も高いスコアを叩き出したのです。