手取りは1割以下

まず、具体的にはどのような手口なのか。米司法省が2025年6月30日に公表した摘発資料によれば、北朝鮮のIT労働者は中国・ロシア・ラオスなどに拠点を置き、盗用または偽造した欧米人の身元と履歴書を使って、企業の採用ルートやフリーランスサイトでリモート職に応募する。

雇用主から郵送される業務パソコンは、欧米の協力者が住所を提供し、1カ所に集められる。こうした手法は「ラップトップファーム」と呼ばれるが、協力者の自宅に集められたPCを、北朝鮮IT労働者がVPN経由で遠隔操作することで「現地勤務」を偽装している。

報酬は暗号資産や代理口座を通じて北朝鮮政府に流れ、米財務省が2026年3月12日に公表した制裁発表は、このスキームによる収益が2024年だけで約8億ドル(約1280億円)にのぼると試算している。