交感神経を適度に働かせることが重要
なぜ、COOLアタックはNK細胞やキラーT細胞を活性化させるのでしょうか。COOLアタックを行なうと、自律神経の「交感神経」と「副交感神経」のうち、交感神経のほうが優位になります。交感神経は、仕事やスポーツなどの身体活動を行なっているときに優位になる神経で、心拍数を速くしたり、血管を収縮したり、腸の運動を抑制したりします。
一方の「副交感神経」はリラックスしているときに優位になる神経で、心拍数や血圧を低下させたり、消化を促進させたりします。交感神経が優位になるということは、わかりやすく言ってしまうと戦闘態勢に入るということです。
すると、免疫細胞も活性化されます。ある研究で、毎日の短時間の低温ストレスにより、NK細胞やキラーT細胞の増加や活性が促されることが示されています。もちろん、ずっと交感神経優位でいるのは望ましいことではありません。
その点、COOLアタックは1回20秒という短時間なので、自律神経のバランスが悪くなるほどではありません。交感神経を適度に働かせることによって、NK細胞とキラーT細胞を活性化させているのです。
赤ワインやカレーでも脂肪が燃焼される
では、褐色脂肪細胞のほうは、どのようにして活性化するのでしょうか。褐色脂肪細胞は、主に首近くの鎖骨付近や胸まわりに分布し、脂肪を燃やして熱を産生する働きを担っています。褐色脂肪細胞にはミトコンドリアが多く含まれています。ミトコンドリアは、細胞活動に必要なエネルギー供給を行なう物質、ATPを作り出すオルガネラ(細胞小器官)でしたね。
そしてなんと、褐色脂肪細胞のミトコンドリアの仕事はこれだけでなく、UCP1というタンパク質の働きにより、脂肪などを燃やす仕事も行なっているのです。褐色脂肪細胞はこのように熱を産生することで、基礎代謝量を増加させ、全身のエネルギー消費量も増やしているのです。そして褐色脂肪細胞も、交感神経が優位になることで活性化されると考えられているのです。
東北大学の酒井寿郎教授らの論文の中でも、「急激に環境の温度が低下すると交感神経系が活性化し、褐色脂肪細胞で脂肪が燃焼され、熱が産生されます」と記されています。
なお、褐色脂肪細胞の熱産生は、ある食べ物を食べることで活性化させることもできます。その食べ物とは、カプサイシンという辛み成分を含んでいるトウガラシや、キムチ、カレー。たしかに、カプサイシンが含まれた辛い物を食べると、体がカッカカッカしてきますよね。
さらに、ブドウの果皮や赤ワイン、ピーナッツの渋皮などに含まれる、ポリフェノールの一種のレスベラトロールにも、褐色脂肪細胞を活性化させる働きがあります。

