一時期は主流となった「職場結婚」

1970年代からは恋愛結婚が結婚経路の主流になったわけだが、具体的には何をきっかけに恋愛をしていたのだろうか。1990年代以降に主流になったのは、「職場」をきっかけとする結婚、すなわち職場結婚である(図表4)。

阪井裕一郎(2024)『結婚の社会学』は、かつての皆婚社会を支えてきた1つの要因としての企業社会を「マッチメーカー」と位置付けたうえで、先行研究に言及しつつ「当時の恋愛結婚は、実際には『企業によって身元保証された男女』が帰属意識の高い集団のなかで配偶者を見つけるというかたちをとった」と指摘し、併せて「企業側(上司)が従業員の結婚問題に気を配ることは、ごく自然なことであったに違いない」とも述べている。

つまり、「半強制結婚システム」の運営主体が、親をはじめとする「親族」から「企業の上司」へと移行する形で、皆婚社会の延命がなされたような格好である。