Q「1年後に1万1000円もらうのと、いま1万円もらうのと、あなただったらどちらを選ぶか」と聞かれて、ほとんどの人はいまの1万円を選んでしまう。ちょっと我慢して1000円多くもらったほうがよさそうなものだが、どのような数字のカラクリが隠されているのか。

人間は時間に関しても理屈通りでない感覚を持っているものなのだが、将来のお金の価値がいまならいくらなのか、将来の価値を現在に換算するときに用いる率(レート)のことを経済学では「割引率」という。たとえば、金利が2%だった場合、1年後の1万円の現在の価値は「1万円÷1.02=9803.92円」となる。そして、この割引率は人間の“せっかち度”を測るバロメーターにもなるのだ。

割引率が高いということは、将来の価値を現在の価値に引き直すときに、将来の価値から大きく割り引いて考えていることを意味する。つまり、現在価値を低く見積もっていることで、「それならいまもらったほうがいい」というせっかち度の高さを示しているわけだ。

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