多くの人が「賢い老人」に求めていること

人間は18歳のときから変わらないということが、当たり前のこととして認識されているのはおかしなことです。人生には、浮き沈みも勝ち負けもあり、人間はそのなかで変化していく生き物なのです。

和田秀樹『老いの品格 品よく、賢く、おもしろく』(PHP文庫)
和田秀樹『老いの品格 品よく、賢く、おもしろく』(PHP文庫)

「人間は変わるものだ」と、高齢者の方にこそ声を上げてほしいと思います。「人生いろいろ」とか、「人間はころころ変わる」ということを、高齢者は経験を通して知っているはずなのに、なぜかそれを封印している人が多いような気がします。

たとえば、学歴はそうあてになるものではないと知っているはずなのに、お孫さんに対して、「いい大学にいきなさい」と、つい言いがちです。本来ならそこで、「いい大学に入れるのならそれに越したことはないけど、そのあとも勉強しなかったら意味はないよ」という、当たり前のことを伝えるべきなのです。

高齢者が、人間的な「深み」や「幅の広さ」を感じさせてくれると、「だてに歳をとっていないな」と思います。多くの人が「賢い老人」に求めているのはそのようなものです。

誰もがスマホをもち、ネットで何でも調べられる時代になり、知識に優位性がなくなっているからこそ、その人のもつ人生哲学や経験が人間的な「深み」や「幅」につながっているかどうかが、大きな意味や価値をもつのだと思います。

【関連記事】
これがないと寂しい最期を迎える…医師・和田秀樹が「幸せな高齢者に共通」と説く"晩年の態度"
腸の壁に穴が空き、全身がボロボロに…内科医が「毎日食べてはダメ」と警告する"みんな大好きな朝食の定番"
安っぽい服ばかり着ていると人生大損する…トップスタイリストが教える「今すぐやめたい残念な服」の特徴
ギャンブルでも、旅行でも、美術品収集でもない…和田秀樹が手を出すなという「世の中で一番金のかかる趣味」
「ADHDグレー」と診断された子どもたちが高確率であてはまる幼少期からの「危険な習慣」