多くの人が「賢い老人」に求めていること
人間は18歳のときから変わらないということが、当たり前のこととして認識されているのはおかしなことです。人生には、浮き沈みも勝ち負けもあり、人間はそのなかで変化していく生き物なのです。
「人間は変わるものだ」と、高齢者の方にこそ声を上げてほしいと思います。「人生いろいろ」とか、「人間はころころ変わる」ということを、高齢者は経験を通して知っているはずなのに、なぜかそれを封印している人が多いような気がします。
たとえば、学歴はそうあてになるものではないと知っているはずなのに、お孫さんに対して、「いい大学にいきなさい」と、つい言いがちです。本来ならそこで、「いい大学に入れるのならそれに越したことはないけど、そのあとも勉強しなかったら意味はないよ」という、当たり前のことを伝えるべきなのです。
高齢者が、人間的な「深み」や「幅の広さ」を感じさせてくれると、「だてに歳をとっていないな」と思います。多くの人が「賢い老人」に求めているのはそのようなものです。
誰もがスマホをもち、ネットで何でも調べられる時代になり、知識に優位性がなくなっているからこそ、その人のもつ人生哲学や経験が人間的な「深み」や「幅」につながっているかどうかが、大きな意味や価値をもつのだと思います。


