欧米型より厄介な「東アジア型」

日本でおこなわれたコホート研究から、ピロリ菌に感染している人は、感染していない人とくらべて、胃がんの発症率が約5倍高いことが判明しています。その逆にピロリ菌をうまく除菌できれば、その後の胃がんの発症率は除菌する前の3分の1になります。

ピロリ菌が、胃がんに加えて鉄欠乏性貧血、慢性蕁麻疹、糖尿病、さらにはアルツハイマー型認知症の発生を促す恐れがあることから、ピロリ菌に感染している人はすみやかに除菌治療を受けることが望まれます。

ただ、日本で胃がんが多いのは、ピロリ菌の感染率が高いからだけではないのです。じつは、ピロリ菌には大きく分けて東アジア型と欧米型があり、東アジア型のほうが胃がんを起こす力が強いことが明らかになっています。これに対して欧米型のピロリ菌は、胃の粘膜を傷つけることがあまりありません。毒性のもとになる蛋白質が少ないため、がんを起こす力が弱く、その代わりに十二指腸潰瘍を起こすと考えられています。図表2にイラストで示しました。