国内で続々と始まる「顔パス改札」

先駆けは、千葉県を走る山万ユーカリが丘線だ。2024年に日本で初めて全駅に顔認証システムを本格導入し、磁気乗車券を完全に廃止した。

ユーカリが丘駅改札に設置された顔認証乗車システム
ユーカリが丘駅改札に設置された顔認証乗車システム(山万株式会社プレスリリースより)

都市部では、大阪メトロが2025年の大阪・関西万博に合わせて大規模展開を行い、ほぼ全駅での顔認証を定着させている。また、京成電鉄の「スカイライナー」では、チケットを予約購入する時に顔情報を登録することで、顔パスで乗れる仕組みをスタートさせた。

こうした全国の動きに、Suicaの生みの親であるJR東日本も決して手をこまねいているわけではない。Suicaのシステムを再構築する「Suica Renaissance(スイカルネサンス)」という巨大なプロジェクトを推し進めており、そのなかで物理的なタッチをなくす未来を描く。

同社は2025年末から2026年春にかけて、上越新幹線の新潟駅と長岡駅で顔認証改札を、2027年春には広域品川圏5駅でウォークスルー改札の実証実験をするとしている。カードをタッチしない改札は日本にも広がりつつあるのだ。

顔認証は本当に便利か、いざ体験!

顔認証の改札、実際はどうなのか。現在JR西日本が実証実験を行なっている顔認証改札機を体験してさせてもらった。

同社は2026年3月、大阪駅や新大阪駅において、既存のIC改札機にカメラを2台設置した改札機を設置した。新たな改札を新造しなくても、今ある改札にカメラとシステムを設置するだけならばコストダウンにつながる。

カメラが2台取りつけられた顔認証改札機(大阪駅うめきた地下口)
筆者撮影
カメラが2台取りつけられた顔認証改札機(大阪駅うめきた地下口)

「ストレスフリーな移動を実現することが私たちの目指す姿です。顔認証ならば、荷物で両手が塞がっていても通れるし、カバンからカードを出す手間がありません」と話すのは、JR西日本のデジタルソリューション本部戦略企画(交通ソリューション)の稻田辰昭さんと、鉄道本部施設部機械課(出改札)の中桐靖智さん。

今回2回目となる実証実験の最大の焦点は、実用性の検証だ。「朝のラッシュが発生するエリアへの設置は初の試みです。大阪駅や新大阪駅の流動が激しい場所に設置し、激しい混雑にどこまで耐えうるのかを見極めていきたい」と語る。

顔認証改札を担当するJR西日本の稻田辰昭さん(左)と中桐靖智さん(右)
筆者撮影
顔認証改札を担当するJR西日本の稻田辰昭さん(左)と中桐靖智さん(右)