食料品減税はすぐに実行できるのに…
ということは、社会保障費の増加分以上、消費税は増加しています。景気が弱く家計が苦しい中、政府は取りすぎているとも言えます。今回の選挙に関連して、マスコミの論調で「そもそも消費税は社会保障費に対するものだから、消費税を下げると結局、社会保障の手当てが薄くなる。どうするんだ」という論議もありました。
しかし実際は、政府は税金を取りすぎなのです。当初予算では控えめに見積もられていても、26年度の当初予算は25年度当初予算と比較すると、税収見積もりで6兆円ほど増えています。したがって消費税の食料品減税分5兆円くらいなら、余裕をもって捻出できるはずです。
そして名目GDPが増加を続ければ、27年度の税収は26年度に増えたところから、さらに増えます。経済規模が持続的に拡大する中では、経済成長による税収増は恒久財源になります。
これまでのように経済規模が持続的に拡大しない中では、税収は減ることもあるため、経済成長による税収増は一時的な財源と見なされました。この認識の変化がまだできていないことも「緊縮思考の呪縛」です。高市政権は、経済規模の持続的な拡大にコミットしていますから、経済成長による税収増を財源にすることは理に適っています。
取りすぎた5兆円の税収の正体
もう一つは、24年度、25年度の2年間を考えると、当初予算から補正予算を組むときに歳入が7兆円ほど上振れています。前述しましたが、財務省は歳入を毎年5兆〜7兆円ほど過少に見積もるクセを持っています。そして補正予算を組む時に修正され、使われます。
つまり、5兆円も取りすぎていますし、現在のインフレで上振れているのはほぼ食料であり、その分を困っている国民にお返しするのは、まったくおかしな話ではありません。社会保障にも影響するはずがありません。「財源は?」と騒ぐ必要もなくなります。
――高市首相は強い言葉を使って信を問い、圧勝したわけですし、積極財政を支持する野党を含めた勢力が躍進したわけです。すると財務省も、その声を聞かざるを得なくなりますよね。
財務省が積極財政を否定しているのかどうかは議論の余地がありそうですが、あまり歓迎してはいないようです。やはり財政収支赤字の方向に進んでしまうことへの危惧もあり、もう一つは、やはり政治家は“有権者のために”使いたがるので、財務省がブレーキ役にならなければという役回りを自負しているのでしょう。

