「自分でやったほうが早い」をなくす方法

(2)役割分担のルール

組織運営を効率化するには、適切な役割分担が欠かせません。しかし、現場ではよくこんな判断がなされがちです。

「慣れている自分でやったほうが早い」
「あの人はまだスキル不足だから任せられない」

あるいは逆に、本来自分がやるべきタスク処理を安易に誰かに振ってしまう。

こうした属人的な判断で動いていると、組織全体のパフォーマンスはいつまでたっても改善されません。特にマネジャーは、リソース(人・時間)の最も効率的な配分を考え、戦略的に役割を分けるルールを決めるべきです。

マラソンにおけるランナーと給水係のように、役割を明確にしましょう。

・プレイヤー:行動目標の達成(新規開拓など)に集中する
・サポーター:顧客対応や事務処理を補佐する

たとえば、新規開拓の目標を達成しなければならない営業担当者が、既存客からの問い合わせや在庫確認の電話対応に追われているとします。

アシスタントがいるにもかかわらず、「自分で対応したほうが早い」「お客様も私に頼みやすいから」と言って、仕事を抱え込んでしまう。

これでは、いつまで経ってもアシスタントは顧客対応に慣れません。何より営業担当者が「新規開拓のための行動」を実行できなくなります。

ここでマネジャーは、ルールとして役割分担を徹底させるのです。

「在庫確認と既存客の一次対応は、必ずアシスタントに任せる」

このように強制力を持って業務を切り分けます。

重要なのは、「誰が何をやるか」をその場の雰囲気や個人の裁量で決めず、ルールとして明文化しておくことです。

ペナルティとの連携が必須な理由

(3)評価とペナルティのルール

ルールには、必ず「評価(罰則)」との連携が必要です。厳しいようですが、守らなくても痛くも痒くもないルールは、形骸化しやすいのです。ルールとマナーは違うのです。

・データの入力期限を守らない場合は、評価をマイナスする
・目標達成プロセス(行動)を守っている場合は、加点評価する

このように、ルールを守ることが自分の評価に直結する仕組みを作りましょう。ある企業では、「自己評価シートの提出期限を守らない社員は、その期の評価対象から外す」という“例外を認めない”ルールを設けたところ、提出率が100%になりました。

「ルール違反=評価ダウン」という緊張感があって、はじめて組織の規律は保たれるのです。