中国の台頭とアメリカの凋落。この誰の目にも明らかな構図の中、なんとかして斜陽化に歯止めをかけたいアメリカは、失地回復のためにバラク・フセイン・オバマJr.というニュー・ヒーローを大統領に据えた。

しかし、世界のジョーク・マーケットは意外にもオバマに冷淡だった。なぜなら、前任者のキャラ立ちがあまりにも凄まじかったからだ。彼の名は言うまでもなく、ジョージ・W・ブッシュである。

「演説」をお読みいただこう。よくも悪くも、これほどのおバカキャラは、世界の歴史を相当古い年代から見渡してみても存在しないだろう。ブッシュは、特に中東の国々から相当な恨みを買っている。しかし、近年のジョーク界では間違いなく断トツの人気者であった。

演説

ジョージ・W・ブッシュが演説でイラクを非難して言った。
「無能で傲慢な指導者のために経済は滞り、街は失業者で溢れている。
国際社会と協調することもなく、周辺諸国に脅威を与えている!
こんなに恥ずかしい国はほかにはない!」
演説を聞いていた人たちは、なぜ彼がアメリカを
批判するのか理解できなかった。

では、わが日本の宰相は世界のジョーク界でどのような扱いを受けているのだろうか。正直言って、ほとんどネタとして取り上げられることはない。当然だろう。短期間でコロコロ変わってしまうのだから、名前を覚えてもらう暇すらないのだ。

ところが意外な人物が、国際舞台で意外なセンスを発揮したことがあった。その名は麻生太郎元首相である。

ある国際会議で、麻生首相(当時)が演説することになった。演壇に立って間もなく、同時通訳の機械が故障して通訳の声が聞こえなくなってしまった。会場に動揺が広がる。それを見て取った麻生首相は、満面の笑みを浮かべてこう言い放ったそうである。

「この機械、日本製じゃないよね」

会場はそれなりに沸いたという。