テイカーから身を守る「バウンダリー」

テイカーを見抜いたら、次は「防御」を意識しよう。

心理学には、「バウンダリー」という概念がある。これは、自分と他人の間に引く「見えない境界線」のことだ。

テイカーは、このバウンダリーを侵犯してくる。あなたのプライベートな時間、個人的な空間、心の領域に土足で入り込んでくる。

だから、明確な境界線を引く必要がある。

「業務時間外の連絡には対応しません」
「私用の買い物を頼まれても断ります」
「プライベートな質問には答えません」

これは冷たい対応ではない。自分を守るための正当な権利だ。

オバマもジョブズも“距離”を守った

現職時代のバラク・オバマ米大統領は、毎晩、家族との夕食の時間を固定し、どんな案件もその時間には入れないルールにしていた。これが、バウンダリーだ。

バラク・オバマ米大統領一家
バラク・オバマ米大統領一家(当時・2011年12月)(写真=Pete Souza/ホワイトハウス/PD-USGov-POTUS/Wikimedia Commons

私の場合は、基本的に仕事でもプライベートでも電話には出ない。自分のペースを乱されたくないからだ。

また、夜の会食が多いので、午前中はアポイントを入れないようにしている。体力のためにも、遅刻などで不義理をしないためにも。原稿を書くことも多く、執筆は午前中に集中して書くようにしているという理由もある。

「いい人」は、断るのが苦手だ。私もアポイントをとるにあたって、相手とやり取りする中で午前中に入れる誘惑にかられることがある。ただ、決めたバウンダリーを守らないと、どんどんグダグダになっていく。

アップルの創業者のスティーブ・ジョブズは、「Time is limited(時間は限られている)」という言葉を大切にしていた。

彼は、自分の時間を奪う人々から物理的に距離を取り、本当に大切なこと、本当に大切な人々、これらに時間を使った。

あなたの時間は、あなたの人生そのもの。それを、有害な人々に使う義務はない。

バウンダリーを守って、自分の時間、空間、心を守る