ポエム構文の文体技法
進次郎構文は、文としての意味よりも、語感やリズム、音の流れを優先して設計されている。その構文は、散文ではなく詩に近い。政治的な言葉でありながら、情報伝達を目的とせず、印象の残存を狙う。論理ではなく響き。説得ではなく詩情。これが「ポエム構文」とも称されるゆえんである。
この構文に頻出する文体技法のひとつが、「反復」の多用である。同じ単語やフレーズを繰り返すことで、リズム感を生み出す。
たとえば、「30年後の自分は何歳かな……30年後の約束を守れるかどうか、その節目を見届けることができる政治家だと思います」というもの。
この構文の前半部分は意味がない。そもそも自分の年齢を知っているわけで30年後の年齢もわかっているはずであるが、それでもあえて年齢を言わないで、「30年後」を反復している。反復することで意味内容の展開がないものの、聞き手にはなぜか「強い意志」「自己責任」「誠実さ」などの印象が残る。
これは、語の反復によって「感情の波」を起こす技法である。内容ではなくリズムによって聞き手の心を揺らす。歌詞や詩に見られるテクニックと同型である。意味が重ならずとも、音が重なれば印象が増幅する。まさに意味よりも響きという構文設計である。
特徴的な「対比」
もうひとつ注目すべきなのが、「対比の強調」である。
「気候変動の戦いは、楽しくなければ続かない。だからこそ、クールに、セクシーにとり組むべきである」
記者会見(2019年、国連気候行動サミット)での発言は英語であるが、「楽しい」に対比して、「クール」と「セクシー」が用いられている。3つの前に「It's got to be」を繰り返して挿入することで対比を強調している。進次郎構文の技法はこのように反復と対比によって語る構文である。
構文の構造はいつもだいたい明確で、慣れると次にどのような発言をするか予想がついてくる。


