【俣野】今のエピソード、ものすごくいいですね。いや、僕もそう思うんですよ。「嫌な仕事だろ、お前」と思ってやらせている部分もあるんですよ。嫌な仕事をどれだけ気持ちよさそうにやっているか、それをたぶん試されていて、だとしたら、「もうちょっとこいつに負荷かけて大丈夫だな。もっと大きな仕事を任せてみようか」とか。で、周りがやはりそういうのをチェックしていると思えばいいんですね。「あ、嫌な仕事来たぞ」と。「俺のこと試してやがるな」と。「見ていてください。俺、そんな嫌な顔してませんよね、気持ちよさそうにやっているでしょ」。「なかなかやるでしょ」と思えばいいんです。

【中司】目の前に迫った壁は、高さもある。その壁は横にメチャクチャ長い。万里の長城みたいに。横に逃げようとしても、ず~っと壁がある。ピンチというものも横にずっと長いんです。だから、乗り越えないかぎりずっとピンチのまんま。

【俣野】どこに行っても壁がある“万里の長城”。逃げ切れないくらい横に長いけれど、意外に壁の厚みはそうでもなかったりするわけです。

【中司】やはり最終的には、スキルアップして、壁を破る=自分が変わるしかない、ということですね。

俣野成敏(またの・なるとし)
1993年、シチズン時計株式会社に入社。安息の日々もつかの間、社の赤字転落によって30歳でリストラ候補になり、転職、起業の余地がないダメ社員に未来はないと一念発起。役職経験・小売経験・有力人脈を一切欠いたまま、メーカー直販在庫処分店を社内起業。老舗メーカーの古い価値観を逆風に受けながら、30代の内に年商14億企業に育てあげる。その功績が認められ、33歳でグループ130社の現役最年少の役員に昇進し、さらに40歳で本社償還、史上最年少の上級顧問に就任する。この体験を元に執筆した著書『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)はシリーズ累計11万部のベストセラーに。2012 年、独立。複数の事業経営の傍ら、私塾『プロ研』を創設してプロフェッショナルサラリーマンの育成に力を注いでいる。
※俣野成敏オフィシャルサイト http://www.matano.asia/

中司祉岐(なかづか・よしき)
株式会社日報ステーション代表取締役。経営日報の“赤ペン指導”で売り上げを倍増させる日報コンサルタント。クライアントからは、FC、特定ブランドで売り上げ日本一を多数輩出している。高校卒業後、零細飲食店に入社。集客を担当し来店者数10倍、客単価2倍を実現。その後、勤務した大手アパレルチェーンでは、販売員として全国トップテンに入る業績を上げる。その営業・販売の実績を買われ、零細企業の創業、事業立て直し支援事業に従事。そこで中小零細企業こそ少しの工夫で成果が出せると気づき、株式会社ビジフォーム(現・株式会社日報ステーション)を設立。著書に『A4 1枚で「いま、やるべきこと」に気づく なかづか日報』(経済界)、『小さなひらめきが成果に変わる A4マイ日報で「勝ちパターン」仕事術』(幻冬舎ルネッサンス)がある。
※日報ステーション http://nippo-st.com/
(撮影=よねくらりょう)
【関連記事】
“上司の仕事をとる”人が出世する理由とは
我慢できない仕事がみるみる好きになる法
やらされ感克服:損して得とる「事務局」を引き受けよ
あなたに得意な仕事が回らない理由
ムダ仕事を命じる上司への対応術