30歳にしてリストラ候補者となるも、社内ベンチャー創業をきっかけに年商14億円企業のトップへ、さらにはグループ130社の最年少役員に抜擢された俣野成敏さん。
一方、山口県在住で、日報の“赤ペン指導”で売上を倍増させ、クライアントからは、FC、特定ブランドで日本一を多数輩出している日報コンサルタントの中司祉岐さん。
仕事をしていく上で「上司や部下の考えていることが、どうもよくわからない」「先の見えない不安とどう向き合えばいいのか?」「毎日忙しくて、自分の足もとを見つめなおす余裕がない」――このように、日々の仕事で閉塞感を感じている人にビジネスマンとして生き抜くヒントをつかんでもらうため、2人がとことん語り合います。(全5回)
俣野成敏さん

【俣野】味方が増えるためには、自分が“勝ち馬”に見えることが重要です。誰でもやはり勝ち馬に乗りたいんですよ、みんな。戦国時代の武将がなぜ寝返るかといったら、「こっちに乗ったほうがおいしいぞ」という情報をリークしているから。「その人の人物についていきたい」「ミッションに憧れた」というとらえ方は、実は理論武装した後づけの話です。でも、味方になるかならないかという点は、もっと切迫感のある話なんです。

【PRESIDENT】究極のところ、その人と一緒にいるとメリットがあるのかないのか、ということでしょうか?

【俣野】いいことがありそうだと見えるかどうか。実際にメリットがあるかないかは、その時点では分からない(笑)。勝ち馬に見られれば、今まで批判的だった人も、かなり応援する側に回ってくれます。それともう1つは、とくに大きな企業で言えることになりますが、敵を増やさないことが重要です。社内に敵が増えるとえらいことになる。後ろから刺されるみたいな……。なので、対立は意図して避ける。半沢直樹になってしまっては、ちょっときつい。具体的にいうと。島耕作は会長になるけど、半沢直樹のタイプだと会長にはなれないですよね。半沢直樹のドラマの視聴率が記録的に高かったのは、自分にできないことを半沢直樹が代わりにやってくれているからです。しかも、この上なく痛快に。