【中司】その次に考えて欲しいのが、自分の欲しいキャリアや欲しいもの、どこに旗を立てたいかというのを宣言すること。そうしたら、取れる情報はきっちり取れるようになります。

極端な話をすれば、僕は新聞、雑誌、テレビはほとんど見ないんですよね。なぜ見ないかといったら、必要性を感じていないからであって、自分の中で本当に欲しいものがはっきりしているから。ただし日報をテーマに、今コンサルティングをしていますが、日報や手帳に関する本や雑誌、絶対買います。だから僕は、他の人より日報や手帳のことが詳しくて、今この場にいるっていうことだと思うんですよね。でも、満遍なく情報を取っていたら、競争ができなかったと思います。自分の強みにすることができなかった。だから、どこで旗を立てたいか宣言することが大事です。その旗に合わせて変わっていくことがさらに大切ですね。

【俣野】あとは、情報の検索エンジンのキーワード検索に、何の言葉を入れますかということ。僕がよくセミナーで伝えるのは、皆さんの頭の中には必ず検索エンジンと同じような構造で、言葉を入れていますと。言葉を入れているんですけど、言葉を入れたときに何ページ目のどこに出てくるかなんですよね。社内で、僕が会社にいたときに、グループで何千人も社員がいる中で、「アウトレット」という言葉を入れたら、僕がいちばん最初に出てきたんですよね。その瞬間にいろんな情報が集まってくる。社外からの電話は転送されてくるわ、郵便物は、僕の名前が書いてなくても「アウトレット担当」って僕のところへくるわ、情報を持った人が訪ねてくるわ、関連情報は全部集まってきました。そうしたら、いちばん詳しい人がもっと詳しくなるのが今の時代だと思うんですよね。

だから社内で置き換えると、社内のみんなの頭の中にある検索エンジンに、どんな言葉を入れたらあなたが1ページ目の最初に出てきますか、ということだと思うんですね。それがさっきの強みの話、武器の話なんです。中司さんだって、コンサルタントというと、日本中に何百、何千人はいると思うんですね。ところが「日報コンサルタント」というと、彼が1ページ目のトップに出てくるのではないでしょうか。

俣野成敏(またの・なるとし)
1993年、シチズン時計株式会社に入社。安息の日々もつかの間、社の赤字転落によって30歳でリストラ候補になり、転職、起業の余地がないダメ社員に未来はないと一念発起。役職経験・小売経験・有力人脈を一切欠いたまま、メーカー直販在庫処分店を社内起業。老舗メーカーの古い価値観を逆風に受けながら、30代の内に年商14億企業に育てあげる。その功績が認められ、33歳でグループ130社の現役最年少の役員に昇進し、さらに40歳で本社償還、史上最年少の上級顧問に就任する。この体験を元に執筆した著書『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)はシリーズ累計11万部のベストセラーに。2012 年、独立。複数の事業経営の傍ら、私塾『プロ研』を創設してプロフェッショナルサラリーマンの育成に力を注いでいる。
※俣野成敏オフィシャルサイト http://www.matano.asia/

中司祉岐(なかづか・よしき)
株式会社日報ステーション代表取締役。経営日報の“赤ペン指導”で売り上げを倍増させる日報コンサルタント。クライアントからは、FC、特定ブランドで売り上げ日本一を多数輩出している。高校卒業後、零細飲食店に入社。集客を担当し来店者数10倍、客単価2倍を実現。その後、勤務した大手アパレルチェーンでは、販売員として全国トップテンに入る業績を上げる。その営業・販売の実績を買われ、零細企業の創業、事業立て直し支援事業に従事。そこで中小零細企業こそ少しの工夫で成果が出せると気づき、株式会社ビジフォーム(現・株式会社日報ステーション)を設立。著書に『A4 1枚で「いま、やるべきこと」に気づく なかづか日報』(経済界)、『小さなひらめきが成果に変わる A4マイ日報で「勝ちパターン」仕事術』(幻冬舎ルネッサンス)がある。
※日報ステーション http://nippo-st.com/
(撮影=よねくらりょう)
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