立憲議員からの“正論”
2017年に衆参両院で行った「天皇の即位等に関する皇室典範特例法案に対する付帯決議」では、政府は(安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等)について、速やかに検討し、国会に報告するよう求められている。
ところが2021年の有識者会議の報告書では、本来論じるべき皇位継承問題が棚上げされてしまったのだ。
この報告書を受けた与野党協議でも、皇族数の確保に限ってだけ議論されてきたのだ。
新潮によれば、こうした現状に、再開された与野党協議で早々に異を唱えたのは、立憲の長浜博行参院議員だったという。昨夏までは、参院副議長として“行司役”の一端を担ってきた長浜議員に、新潮が尋ねると、
「本来の課題から切り離され、もっぱら皇室数確保についての方策を示すばかりで、本質的な議論が避けられている。そんな全体会議の状況について私は、はなはだ遺憾だと協議の場で述べました」
「総理大臣が皇室典範改正を声高に叫び、選挙公約にも掲げる。『静謐な環境』での議論が大事だと言われているのに、それは静謐からは程遠い。数の力を持って“今ならやれる”とばかり、典範改正を進めようとしているのです」
「“養子”という文言はどこにも登場しません。最優先である安定的な皇位継承の確保のための方策こそ検討されなければならず、新たに有識者会議を立ち上げるのも一案でしょう」(=週刊新潮4月30日号)
国民の理解が得られるのか
高市首相は自民党大会でも、旧宮家の男系男子養子案を優先的に進めるといったが、それに疑問を呈するのは、2021年の有識者会議でヒアリングを受けた笠原英彦・慶應義塾大学名誉教授(日本政治史)だ。
「明治に制定された旧皇室典範でも、皇室が養子をとることを禁じています。容認すれば、際限なく“血統の乱れ”に繋がっていきかねないという懸念のためです。それを現行の典範も引き継いでいるわけですから、この原則は、よほど明確な根拠がない限り、解禁すべきではないと思います。
そもそも旧宮家の男系男子の中から、自らが養子入りして皇室を支えていくという方々がどのくらい出てくるのか。保守派の人たちは、男系男子が続くのであればそれでいいと考えているのでしょうが、制度設計を安易に捉えていると言わざるを得ません」(=週刊新潮4月30日号)
保守的な新聞といわれる読売新聞も、4月16日付の社説で、「80年間も民間人として生活してきた旧宮家の人を唐突に皇族に復帰させ、その後生まれた男子を天皇と想定することに、国民の理解が得られるのか」としている。
これに関連して、驚くべき「暴論」を吐いた自民党幹部がいると、女性自身(5月5日号)が報じている。

