スポーツ界も「トップダウン」から「自立型」へ

スポーツの世界においても、近年大きな変化が起きている。

藤尾秀昭監修『1日1話、読めば心が熱くなる365人の人間学の教科書』(致知出版社)
藤尾秀昭監修『1日1話、読めば心が熱くなる365人の人間学の教科書』(致知出版社)

「トップダウン型」から、選手や現場が主体的に意思決定を行う「自立型組織」への転換が求められているのだ。

既存のトップダウン型組織の限界に早くから気づき、その危うさを約20年前から指摘していた人物がいる。

選手時代は司令塔として大学選手権3連覇、神戸製鋼時代には全日本7連覇を達成。引退後は日本代表監督としてチームを世界レベルに押し上げ、「ミスターラグビー」の異名を取った平尾誠二氏である。

2005年に行われた取材の中で、氏は「なぜ名選手は必ずしも名指揮官になれないのか」という話を展開している。

名選手が必ずしも名指揮官になれないケースが多いのですが、それは、いつまでも自分が主役だと思っているからだと僕は思います。

野球の監督であれば、まだベンチからいろんな指示が出せますが、ラグビーとかサッカーはまったく出せません。ゲームが始まる前までが勝負で、いったん始まればやることがない。極端なことを言えば、寿司屋で寿司を食いながらテレビで観戦していても結果は変わらないんです。

スタンドから「気合を入れろ!」などと檄を飛ばしているコーチもたくさんいます。それが悪いとは言いませんが、それをやったからといって、何も変わらない。そんなエネルギーがあるなら、グラウンドに出る1分前までに発揮しておいたほうが、本当は効率がいいんです。

そういうことを、自分もいろいろ体験を積みながら気づいていったのです。

「ミスターラグビー」平尾誠二の後悔

かく言う平尾氏にもまた、過去に自ら苦汁を嘗めたことがあるという。

実は、そのことで一度失敗がありましてね。試合中にスタンドから僕が言ったことがたまたま当たって、それまで自分たちの判断でゲームを進めていた選手たちが自信を失い、僕の顔ばかり見始めたんですよ。「次はどうしよう」と。

それ以来、試合中は何があっても黙っていよう、どんな状況になっても「おまえたちのプレーは間違っていない」という顔をしておこうと決意したのです。

いま組織は新しい転換期に差し掛かっていますし、プレーヤーの評価の仕方も変わってきています。昔は監督の言ったことをちゃんとやってくれるのがいいプレーヤーでしたが、いまはそういうプレーヤーは頼りない。それよりも、新しいものを自分で創り出せる人が求められます。

指揮官の在り方が、それにふさわしい運命を招来する。組織が新しい転換期を迎えたいま、リーダーとしてのあなたの在り方はどうだろうか。あなたは組織を繁栄へと導くリーダーだろうか。

【関連記事】
松下幸之助「血の出るような努力をせよ、そして社員に見せよ」…新年に読みたい"地獄を見た"リーダーの言葉
仕事のデキない人ほどこの髪形をしている…相手から全く信頼されない「ビジネスで一発アウト」ヘアスタイル3選
「出光は社員を1人もクビにしない」経営難でも1000人以上を雇い続けた出光佐三の不動の"経営哲学"
「三菱商事"採用大学"ランキング」を見れば一目瞭然…学歴社会・日本で成功に必要な「出身大学の最低ライン」
謝罪も、論破もいらない…金銭を要求してくるカスハラ客を一発で黙らせる"ひらがな二文字の切り返し"