市販薬で成長してきた第一三共

現在、第一三共は、市販の大衆薬事業など非中核資産を売却し、世界トップのがん治療薬企業になることに取り組んでいる。

同社のそうした戦略の源は、19世紀後半にさかのぼる。当時、高峰譲吉博士が、麹菌から消化酵素のタカヂアスターゼを発見した。その後、同社は研究開発を重ね、風邪薬の「ルル」、胃腸薬、育毛剤などを開発・発売した。同社は、研究開発によって市販薬を創出して成長した。

1970年代後半以降、同社は、医療用医薬品分野で本格的に新薬を投入し始めた。抗悪性腫瘍剤、抗生物質、高血圧治療薬など、広範囲に医療用の治療薬開発、供給体制を拡充した。1980年代、同社は米国などへの海外進出も本格化した。2024年度時点で、海外売上比率は69%だった。