「偶発」を「必然」に引き寄せる戦略
しかし、想定外のメガヒットにも、彼らは浮足立ってはいなかった。Ayaseはこう野心を語っている。
「もちろん、去年以上に飛躍して駆け上がっていくぞという気持ちはあります。20年は『夜に駆ける』に手を引っ張ってもらった年だったと思うので、紅白に出たと言っても、今はまだ僕らのことまでは知ってもらえていない。僕らがどういう考えを持ってYOASOBIをやっているかも含めて、Ayaseもikuraも、そしてYOASOBIというこのユニットのことも、もっと知ってほしい。そのためにどう見せていくかということを今は考えています」
2021年1月、YOASOBIは初のCD『THE BOOK』と同時にテレビアニメ『BEASTARS』第2期オープニングテーマ「怪物」をリリースしている。ダークで荒々しいベースラインが唸る「怪物」は彼らのさらなる飛躍のきっかけになった。
「アルゴリズムの女神の微笑み」がもたらした最初のバイラルヒットの“種火”をどのように燃え広がらせるか。メディアをどう巻き込むか。そして1曲のバズ(=話題性)をどのようにしてアーティストとしてのオーセンティシティ(=信頼性)につなげていくか。YOASOBIの辿った道からは「偶発」を「必然」に引き寄せるための戦略を読み解くことができる。


