閉塞感を生み出す日本の企業システム

昨今、日本の企業においては、求められる振る舞いや人物像が「画一化」されているように感じられてなりません。

組織の中で波風を立てずにうまく立ち回る。空気を読み、円滑なコミュニケーションをとる。そうした、ある種の「教科書的」な人が評価され、出世していく。

小出翔『誰もが成長し活躍する会社のしくみ』(プレジデント社)
小出翔『誰もが成長し活躍する会社のしくみ』(プレジデント社)

それ自体は悪いことではありません。しかし日本企業には、こうした「組織に馴染む人」ばかりが称賛され、良質な成長機会や育成投資を独占する傾向が根強く残っています。

その結果、働く人々は評価されるために画一的な振る舞いをし、そこからはみ出してしまう個性や、不器用ながらも尖った才能を持つ人々の可能性は評価の土俵に乗る前に切り捨てられてしまっている。そんな閉塞感を拭い去ることができない現状があると感じています。

現在の企業システム自体が、そうした均質な人材を再生産する「誘因(インセンティブ)」になってしまっているのです。

組織ブレイクスルーを起こす「しくみ」

私は、この現状を打破するブレイクスルーこそが、「スキルベース組織」という新しいしくみだと考えています。

社内政治や立ち回りの巧拙ではなく、個人の中に眠っている「隠れた才能」や「スキル」を言語化し、可視化する。そして、可視化されたスキルに基づいて人と人とが繫がり、協働することで、新たな活躍の機会を生み出していく。

これは個人の多様性を尊重する、非常に「人間的」なアプローチであると同時に、埋没していた人的資本を企業が最大限に活用する、きわめて「合理的」な戦略でもあります。

人と会社が対等に向き合い、共にWin-Winの関係を築く。文字通り、「誰もが」その持てる力を発揮し、成長できる。

変化の激しい時代において、企業が持続的に成長するための源泉は間違いなく「人」であり、その人が持つ「スキル」です。

そのための企業組織のあり方を探求する羅針盤や基準点となるものを示せればと考え、今回、拙著『誰もが成長し活躍する会社のしくみ』を著しました。スキルベース組織とは何か、また組織に導入するためのプロセスまで、「基本」を理解できるはずです。

さあ、チームメンバーの誰もが成長し活躍する組織をつくるための第一歩を、共に踏み出しましょう。

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