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ビジネスシーンで、ファッションに求められる色は違う(AFLO=写真)

海外の元首クラスの服装は、「ソリッド」、おしゃれだけど外していないオーソドックスな形です。彼らは、肩書で人が集まってくるし、進んで話を聞いてくれる。そうした方々と比べて、名を売り出し中の私たちは、まず覚えてもらう必要がある。彼らの記憶に留まるためには、地味な服装ではダメというのが持論です。スピーチや挨拶の機会が与えられなかったとしても、服装と、それを支える体で目立つことはできるからです。

服装だけでなく、体を鍛えることも大切です。貧相な体では、体格のよい海外の人たちに見た目で負けてしまうし、集合写真でも目立たない。

脳を鍛えるには、体を鍛えるしかない

先日、ハーバード大学の医学部の教授と話をしたのですが、こう言われました。「脳を鍛えるには、結局、体を鍛えるしかない」。血流をよくし、シナプスをつなげることが重要だというのです。米国では、ジムで情報端末を見ながら走ったり運動する人が大勢いますが、体を動かしながらだとよく記憶できる。飛行機で海外に到着し、時差ぼけを解消しようと朝5時にジムへ行くと、もう満員です。

メンタル面と食事の管理も大事な要素です。今、ニューヨークでは座禅が流行っていて、一部ではダボス会議に行くよりも、座禅の会に参加したほうが、人脈が広がるとさえ言われています。ぼくは週2回、肉をいっさい食べない「ミート・アウト」の日を設けて、健康管理には気をつけています。

服装でインパクトを与えるのは、あくまでも最初のつかみだけ。スーツに包まれた心身を磨き抜いておくことが最も大事なのです。

元参議院議員 田村耕太郎
1963年、鳥取県生まれ。早稲田大学商学部卒。慶應義塾大学大学院でMBA取得。イエール大学大学院で経済学修士など。著書に『君は世界を迎え撃つ準備ができているか?』(中経出版)。
(構成=野崎稚恵 撮影=大沢尚芳 写真=AFLO)
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