偏差値が高くても不合格になる

偏差値60だと1000人中160位くらい、偏差値40だと1000人中840位くらいに位置しており、偏差値80だと1000人中上位1位か2位、偏差値20だと下位1位か2位くらいに位置するというわけです。これらは、ある受験者が集団の中でどれくらいの位置にあるかを表現する数値です。

さて、模擬試験で各受験者の偏差値を算出します。次に、年度末に受験が終わった段階で、それぞれの受験者がどの大学に合格して、どの大学に不合格だったかを確認します。まさに第2章で見た事例のように、模擬試験を受けた生徒たちに電話をかけて確認するのです。

すると、ある大学の学部・学科を受験して、誰が合格し、誰が不合格だったのかという情報が得られます。

早稲田大学文化構想学部の一般選抜入試には、のべ1万人以上が受験します。このうち、1000人が模擬試験を受験していたとしましょう。模擬試験のときに偏差値70前後だった受験生が30人おり、そのうち20人が合格、10人が不合格でした(「全員合格するのでは」と思うかもしれませんが、そういうことは絶対になく、実際にこのようなことがあり得るのです)。

大隈講堂・21号館 早稲田大学
大隈講堂・21号館 早稲田大学(写真=Kure/CC-BY-SA-3.0-migrated/Wikimedia Commons

大学の偏差値が決まる仕組み

偏差値65前後だった受験生が60人おり、そのうち30人が合格で30人が不合格でした。偏差値60前後だった受験生が100人おり、そのうち30人が合格、70人が不合格だったとします。偏差値50前後だった受験生が300人いると、そのうち20人が合格、280人が不合格になりました(これも「模擬試験で低い偏差値なのに合格なんてことはないだろう」と思うかもしれませんが、本番の試験では、実際にこういうことがあり得るのです)。

このような「照合」を行っていき、「この学部では模擬試験のときの偏差値が65あたりで、合格と不合格が半々になるな」という推定が成り立つと、その数値を「早稲田大学文化構想学部」に「割り当てる」ことで、「早稲田大学文化構想学部の偏差値は『65』」という結びつけがなされるのです。

なお、ここでは合否が半々のところでの偏差値を当該学部に割り当てましたが、実際にはもう少し合格確率が高いところで判断することもあるでしょう。