ショートスリーパーは0.01%未満

ショートスリーパー(でも平気な人)は本当にいる?
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・ごく稀(0.01%未満)にショートスリーパーはいる。
・特定の遺伝子の変異を持ち、短睡眠で健康維持できる。
・6時間以下の睡眠は、大多数にとって病気リスク増。

短い睡眠時間でも元気に活動できる「ショートスリーパー」。なんだか特別な才能のように聞こえますし、憧れを抱く人もいるかもしれません。私自身も実は睡眠時間が短い傾向にありますが、果たして私には特別な才能があるのでしょうか?

結論から言うと、「ごく稀には存在する」というのが答えです。

まず、大前提として知っておきたいのは、ほとんどの大人にとって、6時間以下の短い睡眠は、糖尿病や心臓病、肥満といったさまざまな病気のリスクを高めてしまうということです(1、2)。一般的に、7時間以上の睡眠が強く推奨されています。

しかし、ごく一部に、生まれつきの遺伝子によって、短い睡眠でも健康を維持できる「本物のショートスリーパー」が存在することが分かっています。例えば、GRM1という特定の遺伝子の変異を持つ人は、短い睡眠でも日中に眠気を感じにくく、健康への悪影響も見られにくいのです(3)

ここで最も大切なのは、こうした体質の人は「宝くじに当たるような確率」でしか報告されていない、ということです。正確な頻度はわかっていませんが、0.01%未満と考えられています(4)。このため現実には、短時間睡眠者の大多数は、自覚症状なく水面下で健康リスクを高め続けているだけです。個人的にも耳の痛い話です。

特別な遺伝子や才能を持たない私たちには、やはり7時間以上の十分な睡眠が必要です。

参考文献
1.Full KM, Shi H, Lipworth L, Dauer LT, Mumma MT, Xiao Q. Sleep Trajectories and All-Cause Mortality Among Low-Income Adults. JAMA Netw Open. 2025;8(2):e2462117. doi:10.1001/jamanetworkopen.2024.62117
2.Itani O, Jike M, Watanabe N, Kaneita Y. Short sleep duration and health outcomes: a systematic review, meta-analysis, and meta-regression. Sleep Med. 2017;32:246-256. doi:10.1016/j.sleep.2016.08.006
3.Shi G, Yin C, Fan Z, et al. Mutations in Metabotropic Glutamate Receptor 1 Contribute to Natural Short Sleep Trait. Curr Biol. 2021;31(1):13-24.e4. doi: 10.1016/j.cub.2020.09.071
4.Weedon MN, Jones SE, Lane JM, et al. The impact of Mendelian sleep and circadian genetic variants in a population setting. PLOS Genet. 2022;18(9): e1010356. doi:10.1371/journal.pgen.1010356