睡眠時間は、数字よりも心身の状態
ベストな睡眠時間は人によって違う?
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・体質・年齢・生活で必要な睡眠量が変動。
・同年齢でも必要睡眠時間に幅がある。
・目安は7~9時間、日中の体調で調整する。
洋服のサイズや好みが人それぞれ違うように、ベストな睡眠時間も、人によって違います。私たち一人ひとりに、自分に合った「ベストな睡眠時間」がある、というのが現在の科学的な考え方だと思います。
年齢や性別、生まれ持った体質、そして日々の生活スタイルなど、たくさんの要素が複雑に絡み合って、その人に必要な睡眠時間に影響を与えます(1)。
結果として、実際の睡眠時間と「主観的な睡眠の必要量」には幅広い分布があり、同じ年齢層でも必要な睡眠時間には大きなばらつきがあると報告されています(2)。さらに、個々の最適な睡眠時間は、睡眠負債、その日の睡眠の質などによっても変動します。
もちろん、目安はあります。多くの専門機関は、健康な大人に「1日7時間から9時間」の睡眠を推奨しています(3)。まずは、この範囲を基準に考えてみるとよいでしょう。
では、その中で自分にとってのベストな時間を見つけるには? 大切なのは、日中の自分の状態をチェックすることです。「日中に強い眠気を感じないか?」「集中力は保てているか?」「朝、すっきりと起きられているか?」。これらの質問に「はい」と答えられれば、それが今のあなたにとってのベストな睡眠時間と言えるでしょう(4)。
「○時間眠らなきゃ」と数字に縛られるよりも、自分の体と心に耳を澄ませて、最適な時間を見つけていくのが、睡眠の質を高めるいちばんの秘訣です。
参考文献
1.Ashbrook LH, Krystal AD, Fu YH, Ptacek LJ. Genetics of the human circadian clock and sleep homeostat. Neuropsychopharmacology. 2020;45(1):45-54. doi: 10.1038/s41386-019-0476-7
2.Ursin R, Bjorvatn B, Holsten F. Sleep Duration, Subjective Sleep Need, and Sleep Habits of 40- to 45-Year-Olds in the Hordaland Health Study. Sleep. 2005;28(10): 1260-1269. doi:10.1093/sleep/28.10.1260
3.Mukherjee S, Patel SR, Kales SN, et al. An Official American Thoracic Society Statement: The Importance of Healthy Sleep. Recommendations and Future Priorities. Am J Respir Crit Care Med. 2015;191(12):1450-1458. doi:10.1164/rccm. 201504-0767ST
4.Kitamura S, Katayose Y, Nakazaki K, et al. Estimating individual optimal sleep duration and potential sleep debt. Sci Rep. 2016;6(1):35812. doi:10.1038/srep35812

