改正法実施までのスケジュール

この制度が実施されるまでにはしばらくの猶予があるといわれている。

その理由は、支払調書や特定口座年間取引報告書を管理するシステムと社会保険料を管理するシステムを連携するための時間が必要であるため、法案が今国会で通っても、施行時期は2029年前後と見込まれている。

それまでの2、3年の間にNISAへの資金移動を加速するなどの対策を講じる時間があるのがせめてもの救いである。

リビングでパソコンを使う高齢のカップル
写真=iStock.com/pain au chocolat
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この改正の根本的な問題とは

今回の改革は、金融所得を社会保険料の計算の対象に組み入れることである。

この改革の問題点は以下の通りだ。

対象範囲の限定による新たな不公平感の醸成

今回の改正は75歳以上の後期高齢者に限定されている。

65歳以上の高齢者、国民健康保険加入者全員、会社員公務員等の被用者保険加入者は金融所得に対して社会保険料を払う義務はない。

なぜ、高齢者だけなのかという不公平感が出てきて当然だ。

低所得者への配慮が全くなされていない

図表4で挙げた①のケースは年金収入150万円、配当収入50万円の住民税非課税世帯となるレベルである。これらの人に対しても増税を強要している。これは制度設計が荒く、弱者保護の観点からの対策がなされていないことに起因している。おかしいと言わざるを得ない。