片道30分以内なら年収1800万円が必要

首都圏において、住宅価格と通勤時間は分けるのが難しいほど密接に連動しています。

価格が高くなるほど通勤時間は短く、安くなるほど長くなるという「反比例」の法則が、物理的な距離として厳然と存在しているからです。

ニッセイ基礎研究所のデータに基づき、居住エリア別のトレードオフを整理すると、その差は歴然です。

※ニッセイ基礎研究所「地域で異なる男女・年齢層別の平均通勤時間の構造

・ 都心マンション(1.5億〜3億円):通勤時間は20〜30分。購入には年収1800万円以上が目安となります。
・ 都内近郊(8000万〜1.2億円):通勤時間は40〜60分。目安年収は1000万〜1500万円です。
・ 首都圏近郊(5000万〜8000万円):通勤時間は60〜80分。目安年収は700万〜1000万円となります。
・ 郊外(3000万〜5000万円):通勤時間は80〜100分。目安年収は500万〜700万円です。

年間500時間を移動に「投資」するのか

ここで注目すべきは、住宅購入とは「不動産」を買う行為である以上に、「自分の人生の残り時間をいくらで売買するか」を決定する行為であるという点です。

首都圏の住宅購入の現場では、通勤時間は片道1時間が一つの目安となっていますが、これは往復で1日2時間。

年間約250営業日で換算すると、実に年間約500時間を通勤に費やしています。

これを日数に直すと「年間約20日間」に相当します。

「都心は高いから」と、さらに30分遠いエリアを選べば、その分、人生の持ち時間をさらに「移動」という形で追加投資することになるのです。

※1日当たりの通勤・通学時間(10歳以上の「通勤・通学」をしている人、平日の平均)