クラシック界を震撼させた「武道館ライブ」
「角野さんにはヨーロッパでお会いしたことがあり、向こうで彼の演奏を聴いて素晴らしいパフォーマーだとは思っていました。でも実際日本に来て、日本武道館をいっぱいに埋めた13000人のお客さんを熱狂させたショウを観て、本当にびっくりしました。
カメラに向かって話しかけながらのYouTube中継を取り入れたステージも興味深かったですね。角野さんは自身でも作曲をしますが、新しいクラシック音楽というものが、こんなにも多くの人々に伝わるのだということに感銘を受けました」(2024.11.21「Cocotame」)
そう語るのは、Sony ClassicalのグローバルのA&Rとして全体を統括するアレクサンダー・ブールだ。アレクサンダー・ベッシュも、武道館コンサートに注目している。
「私たちにとって大きなインパクトだったのは、クラシックのピアノ演奏家である角野さんが、リサイタルを日本武道館で行なったということです。日本武道館という場所は、ヨーロッパをはじめ世界でも有名で、日本の方たちにとって、とても重要な意味を持つ場所であることを私たちも知っています。
多くのロック、ポップスのアーティストたちが“Live at Budokan”と銘打ったアルバムを作っていますからね。そこでピアニストがたったひとりでリサイタルをする、しかもチケットは完売という話を聞いたとき、これは私たちも観に行かなければ! と思ったんです」(2024.11.21「Cocotame」)
角野隼斗が生涯忘れない瞬間
角野隼斗はSony Classicalから2024年に『Human Universe』をリリース。世界的なピアニストのひとりになった。
そして、彼もまた、この舞台に立ってしまったのだ。そう、カーネギーホール・デビュー。しかも、辻井伸行と同じく、カーネギーホール主催〈Keyboard Virtuosos II〉シリーズ(藤田真央は2026年3月に〈Keyboard Virtuosos I〉シリーズに登場)。
「カーネギーホール大ホールの満席の拍手の音を、スタンディングオベーションの景色を、きっと私は死ぬ直前まで鮮明に覚えているだろう。
舞台袖の扉が開き、ステージに向かって歩いていく瞬間、奈落の底に落ちていくような気がした。ステージが無限に大きく見えて、ピアノとの距離はどこまでも遠く思えた。客席に目を向けた瞬間、自分はとんでもないところに来てしまったのだと思った。天井ギリギリまで席が埋め尽くされていたステージからの客席の光景は、圧巻だった」(2025.11.22「note」角野隼斗―かてぃん)
と、数日後にかてぃんも振り返っている。
