許されなかった外国訪問
しかし、その新しい公務が何を指すのか、皇太子の立場では明言することができなかった。その理由は、先に述べたように、健在である天皇と皇后に対する気兼ねである。胸に描くあるべき公務の姿を明らかにすれば、それ以外の、明仁天皇と美智子皇后が取り組んできたような「すでにある仕事」を否定しているともとらえられかねない。
それはまた、「お手振り」や「お声がけ」などを主とする多くの「すでにある仕事」を求めてきた行事の主催者たちを傷つけることにもなりかねない。
だがそれでも、平成の世で定着しつつある天皇と皇后の在り方は絶対ではなく、次の時代を皇室が生きていくためには新たに手を付けなければならない仕事がある。徳仁皇太子はそう考えていたのではないだろうか。
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