※本稿は、岩田かおり『自分の頭で考えて行動する子が育つ 戦略的パートナーシップ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
「優先順位が低いこと」は響かない
「夫に何度言っても、きれいにしてくれなくて」
「何十回言っても忘れているんですよ!」
そんなパートナーへのイライラを聞くことは多いです。なぜ、何度言っても忘れてしまうのかといえば、自分とパートナーとの優先順位が違うからです(物忘れが激しいタイプの可能性ももちろんありますが)。
例えば、私は仕事の対応はなるべく早く済ませたいと思っています。でも、ボタンつけや裾上げなどは、まったくできません。忘れてしまうし、「まあ、いいか」と思って先延ばしにしてしまうのです。
最近では、「自分の中で優先順位がかなり低いのだな」と自覚して、ボタンつけや裾上げはクリーニング店などにお願いすることにしました。ちなみに、300円〜600円くらいでできます。「3000円かかる」と言われたら、「自分でやるか……」となりますが数百円であれば支払ってしまったほうがいいと思うようになりました。
ちなみに、夫は記憶力が高く、私のぽろっと言った言葉も覚えていて、「こう言っていたよね?」と数カ月経ってからも持ち出すタイプです。私がお笑い番組を観ながら(大のお笑い好きです)、「ほんま、友近さんおもしろいわぁ。好きだわ」と言っていたのを覚えていて、友近さんが演じる水谷千重子さんのコンサートチケットを購入してくれたこともありました。「そんなこと覚えていたの⁉」と私自身がビックリしたくらいです。
「鍵のかけ忘れ」以外は諦めてもいい
しかし、そんな夫も自分にとって優先順位が低いことはうっかり忘れます。
先日、夫がツルムラサキをお湯でグツグツと茹でていたことがありました。私はビタミンが水に溶け出してしまうことが心配で、緑黄色野菜はできるだけ炒めて使ってほしいと伝えています。そして、驚くことに、それを20年間言い続けてきています。
私は食べられる量がそこまで多くないので、栄養素が高い状態で摂取できるようにしたいと思っているんです。これは私にとっては切実な問題ですが、夫にとっての優先度は高くない。
だから、私が「茹でているの?」と聞くと、ハッとした様子にはなるのですが、また忘れてしまうのです。
自分の思う通りにしてほしいと願っていても、自分とパートナーが持つ優先順位が違うので、相手に私と同じ意識を持ってもらうことは難しいものです。逆にいうと、私も夫がこだわりを持つことに対して同じ重要度を抱くことは難しい。
だから、「家の鍵のかけ忘れがないようにチェックする」といった本当に大切なこと以外は、優先順位は違うものだから忘れちゃうよね、と思って諦めます。あとは、漫才の“てんどん”(同じボケを何度も繰り返して笑いをとること)をやっているイメージで、毎度、その繰り返しをおもしろがっています。

