中国メディアによるイメージ操作

会談の終了後、両局長が移動する様子が放映されたが、中国の劉局長が両手をズボンのポケットに入れた横柄な態度であるのに対し、日本の金井局長は頭を下げて沈痛な面持ちの素振りだった。

舛添要一『中国の逆襲 習近平の戦略』(祥伝社新書)
舛添要一『中国の逆襲 習近平の戦略』(祥伝社新書)

これは、中国の優位性を中国国民に誇示することを目的とした中国側のイメージ操作であり、日本国民が嫌悪感を抱くことを気にしていない。今回、中国のメディアはいっせいに日本批判を展開しているが、そうしなければ最高指導者の不興を買うからである。

その後、日本映画の『クレヨンしんちゃん 超華麗! 灼熱のカスカベダンサーズ』と『はたらく細胞』の公開が延期となった。すでに公開され大好評の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』の打ち切りを懸念する声もある。浜崎あゆみのライブなど、さまざまなイベントも中止や延期に追い込まれている。

東京の上野動物園の双子のパンダ、シャオシャオとレイレイが、2026年1月下旬(貸与期限は2月20日)に中国に返還された。これで、日本にはパンダが不在となるが、その後、中国からパンダが貸与される予定はない。

発言を撤回できない高市政権の事情

中国は高市首相の発言の撤回を要求しているが、日本政府はそれに応じる気はない。具体的には、従来の政府見解を見直さないとして、11月25日には「存立危機事態に該当するかは、個別具体的な状況に即して持ち得る全情報を総合して客観的かつ合理的に判断する。政府見解は完全に維持しており、見直しや再検討が必要とは考えていない」という答弁書を閣議決定している。

ただ、これは事実上の高市発言の撤回である。なぜなら、この発言は岡田克也議員の質問に対して、「戦艦を使い、武力行使をともなえばどう考えても存立危機事態になり得る」と答弁したものであり、明らかに「従来の政府見解」とは乖離しているからだ。

このように事実上の発言撤回であるが、中国はそれを認めようとはせず、中国外交部の報道官は、翌日の会見で、「まったく不十分だ。ごまかすような手口を使うべきではない」と批判し、あくまでも撤回を求め続けた。

しかし、高市首相がそれを受け入れれば、政権はもたないだろう。高市首相の70%という高い支持率は、首相が保守派・タカ派であり、「毅然として中国に立ち向かっている」イメージがもたらしているからである。

日中政府間では今も水面下で解決の糸口を見つける努力が続けられていると思うが、高市首相の高支持率、習近平の国内締め付け路線を考えると、合意に至る道は険しいだろう。

【関連記事】
"ヨボヨボ化"を進めるのはラーメンでもパスタでもない…血管・歯・腎臓を同時に壊す「最悪の麺」の正体
「10カ月で92kg→66kg」1食1合食べられるほど白米好きな40代女性が炭水化物の代わりに増やした食材
戦争に加担させられても、アメリカは日本を守らない…イランへの攻撃で露呈した中東の同盟国への酷い扱い
元海自特殊部隊員が語る「中国が尖閣諸島に手を出せない理由」
認知症の最大の原因は「年齢」ではない…「ヨボヨボな75歳」と「元気バリバリな95歳」を決定的に分けるもの