不安定な再エネに依存するのは危ない
脱炭素を宣言しながら、なぜ石炭を増やすのか? これこそが、中国のジレンマと、彼らなりの「答え」を示しています。
中国の戦略は、「古いエネルギー(石炭)を捨ててから新しいエネルギー(再エネ)を導入する」のではなく、「まず新しいエネルギーを全力で確保し、それが古いエネルギーの分を完全に代替できる見通しが立って初めて、古いエネルギーを徐々に減らす」というものです。
なぜなら、彼らにとって再エネは「天候次第」で不安定であり、経済の生命線である電力を「不安定」なものに委ねるリスクは取れないからです。安定供給の「土台」として、石炭火力は絶対に手放せないのです。
「石炭の禁輸」で自分の首を絞めた
この中国の石炭への渇望が、2021年に裏目に出たことがあります。当時、中国は政治的対立から、オーストラリアからの石炭輸入を事実上禁止する「報復措置」を取りました。
最大の輸入先を失った中国は、以前からの電力需要の急増と、国内炭鉱での増産トラブルが重なり、深刻な電力不足に陥りました。全国の工場で計画停電が相次ぎ、一部の都市では信号まで消える事態となったのです。
結局、中国政府はプライドを捨て、この非公式な禁輸措置をひっそりと解除せざるを得ませんでした。自国の経済の「アキレス腱」が石炭であることを、自ら世界に露呈してしまった瞬間でした。


