2026年のクマはどうなるか

――春を迎え、これからクマの活動が活発になってきます。2026年も2025年同様に被害数が増える可能性は高いのでしょうか。

基本的に、春先はクマがそれほど出ません。草木の芽が出る季節ですから、山の中に食べものがある。一方で集落には柿も栗もないので、通常は春の出没は少ないんです。

ただ、ちょっと気になるのが、2月中旬あたりから東北で家屋への侵入や出没のニュースがちらほら出ていることです。大体が体長50〜60cmの個体だったと報告されています。大きさからして、おそらく昨年生まれたクマでしょう。

昨年は駆除数が1万頭を超えましたから、母親が駆除されてはぐれてしまった子グマがいるはずです。山ではなく廃屋や集落の近くでなんとか冬眠した個体が、目を覚ましてフラフラと出てきてしまっている可能性があります。そういう意味では、春先の出没もそれなりの件数があるかもしれません。

――秋以降についてはどう予想されていますか?

さすがに北東北で何千頭と出没するようなことはないと思います。かなりの数を捕獲しましたし、どんぐりの実りもおそらく去年ほどは悪くない。ただ昨年も、北東北ではどんぐりが凶作だったけれど、全国には豊作だった地域もあるんです。

小池伸介『クマは都心に現れるのか?』(扶桑社新書)
小池伸介『クマは都心に現れるのか?』(扶桑社新書)

ということは、今年も日本のどこかは凶作になるわけです。そうした地域で例年より多くのクマが出てくることはあるでしょう。

もうひとつ気になるのは、対策の効果が表れるかどうかです。政府は2025年11月に「クマ被害対策パッケージ」を発表し、環境省では2026年度の補正予算案でクマ対策を大きく積み増しました。一部の自治体では、集落周辺のクマの個体数調整や、緩衝帯の森林整備にお金を投じる動きが出てきています。

ですが、多くの自治体はまだ「出てきたクマをどう捕獲するか」に重点を置いている。それは対策ではなく「後始末」なんですよね。そもそも集落に出てこないようにするための対策が進まず、そこにどんぐりの凶作が重なればまた多くのクマが現れてしまう。

各地域のどんぐりの豊凶と、行政の取り組みの内容・スピード感、この2つが今年の出没の規模を左右すると思います。

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