エネルギーショックは長期化の様相

残念ながら、イラン情勢の緊張が続いている。そのため、イラン発のエネルギーショックも長期化の様相を呈し始めた。そしてこのことが、グローバルに経済活動を下押しする可能性も高まっている。例えば、中東産の石油製品への依存度が強いアジア各国の航空会社は、いわゆる燃料サーチャージ(燃油特別付加運賃)を軒並み引き上げている。

夕暮れの伊丹空港に着陸する旅客機
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いくつか事例を挙げると、中国の中堅航空会社である上海吉祥航空は、3月20日より中国と東南アジア各国を結ぶ国際線の燃料サーチャージを400元から600元ほど、日本円にして1万円前後、引き上げた。大手航空会社である中国国際航空と中国東方航空、中国南方航空の3社も、4月より燃料サーチャージを引き上げるとの観測がある。

オーストラリアでは、最大手のカンタス航空が国際線の運賃を引き上げたほか、準大手のヴァージンオーストラリア航空も、3月24日以降の新規予約分を対象に、国内線運賃を値上げした。またタイ国際航空が3月中に10%から15%の運賃の引き上げを予定しているほか、インドのインディゴやアカサ・エアなどが運賃を値上げしている。

航空運賃アップが続々

日本でも、4月以降に航空運賃が国内線、国際線の両方で上昇する見通しである。イラン発のエネルギーショックでジェット燃料(ケロシン)の価格が急騰したほか、高市政権が発足して以降、円安が進んだために、燃料サーチャージを引き上げざるを得なくなったためだ。航空のみならず、船舶も重油の価格高騰で運賃が高騰する見込みだ。

イラン情勢が袋小路に入りつつある中で、エネルギーショックによる悪影響が、実体経済を大いに蝕む状況となりつつある。それというのも、エネルギーショックが価格にとどまらず、数量の問題に転じてきたためである。要するに不足の問題だ。航空サービスで言えば、運賃の上昇のみならず、減便や欠航が意識される状況となってきている。