イラン情勢が短期のうちに小康状態を取り戻さなければ、今回のエネルギーショックがグローバル経済に与える悪影響は、2022年に生じたロシア発のエネルギーショックよりも一段と酷くなる。ロシア発のエネルギーショックは、基本的にヨーロッパを中心にする出来事だった。グローバルにエネルギー供給が減る出来事ではなかったわけだ。

具体的に説明すると、ロシア発のエネルギーショックは、ヨーロッパがエネルギーの調達先を、ロシアから第三国にスイッチする際に生じたショックに過ぎなかった。一方のロシアは、中国やインドなどヨーロッパ以外の国々へエネルギーを供給したため、グローバルなレベルでエネルギーの供給が下振れするような事態にはならなかった。

ロシア発のショックとは大違い

しかし、今回のイラン発のエネルギーショックは次元を違えている。イランだけではなく、湾岸諸国の採掘施設や精油施設が破壊された。これではホルムズ海峡の事実上の封鎖が解かれたところで、エネルギー供給が直ぐに回復することにならない。グローバルなエネルギーの供給が大きく下振れすることは避けられない情勢となってしまった。