知識も経験もいらない。AIの質問に答えるだけで「自分だけの投資方針」が固まり、資産配分から銘柄選びまで迷わず進める。投資初心者にこそ試してほしいAI活用の全手順。

投資に対する「価値観」と「判断の物差し」を決める

投資を始めたいけれど、何から手を付けていいかわからない……そんな人はまず、生成AIを使って「投資の芯」と「投資の軸」を決めてください。「投資の芯」とは、人生で培ってきた金銭感覚や価値観のこと。持ち家派か賃貸派か、友達との食事は割り勘か――こうした日常の金銭感覚の延長線上にあるもので、そこから離れてしまった投資はほぼ必ず失敗します。まずはAIを壁打ち相手に、自分でも気づいていなかった価値観を言語化していきましょう(Step1)。

次に、その芯をもとに「投資の軸」をつくります。軸とは、投資の目的やリスク許容度など、日々の売買判断の基準となる枠組みです。この軸があってこそ、相場が揺れても感情に流されず、一貫した判断ができるのです。長く相場で生き残っている投資家は、みんな何らかの軸を持っているものです。

「投資の芯」をつくる

と言っても、身構える必要はありません。「芯」が決まっていれば、「軸」はほぼ自動でAIがつくってくれます(Step2)。もっとも、内容を鵜呑みにはせず、しっくりくるかどうか必ずチェックを。わからない部分があれば、それもAIに尋ねましょう。

「投資の軸」をつくる

こうして軸が固まったら、チャットGPTの「プロジェクト」機能を使って、AIに丸ごと記憶させます(Step3)。プロジェクトとは、過去の対話や前提を引き継げる機能のこと。これで、あなたの投資の軸を理解した「専属の相談役」が完成しました。ここからは、この相談役を相手に、具体的な投資計画を立てていきましょう。

投資の軸を「プロジェクト」に登録する
AIと壁打ちして「自分だけの投資戦略」を考える

その投資法はあなたに合っているか?

ここからは、前項でプロジェクト化した「投資の軸」を、実際に自分専用の投資カウンセラーとして活用していきます。まずは投資について気になったことを、なんでも気軽に聞いてみましょう。「ゴールドは買ったほうがいい?」でもいいですし、マネー誌の注目銘柄のページをスマホで撮影して共有し、「この銘柄の中で、自分が一つ買うとすればどれ?」などと聞いてみるのも面白い使い方です。

するとAIが、投資の軸に照らし合わせて「軸の5つの条件のうち3つは合っているが、残り2つは合わない」などと根拠を述べたうえで、あなたにお勧めかそうでないかをジャッジしてくれます。投資では、周囲の盛り上がりについ乗せられて、せっかく自分で決めた軸を蔑ろにしてしまうことがままありますが、そんなときにもAIは頼もしいお目付け役になります。

「投資の軸」プロジェクトに気になる投資について聞いてみる

投資の軸の使い方がわかってきたら、自分だけのポートフォリオを組む相談をしてみましょう。ポートフォリオとは、保有するすべての資産を「一つのまとまり」として捉え、銘柄の選定と配分、定期的な評価・入れ替えというサイクルを回しながら、全体を最適化していく考え方です。この視点がないと、つい「特定の資産に偏りすぎていた」「安定重視のはずがリスクの高い商品ばかりになっていた」といった状況に陥りがちなのです。

資産配分が偏っていると、その領域が盛り上がっているうちはいいのですが、何かしら不利な出来事(業界規制や決算悪化、地政学リスクなど)が起きた途端、資産全体が大きなダメージを受けてしまいます。想定より大きな値動きにさらされると、精神的なストレスに耐えきれず売ってしまうといった行動面のリスクも生じるわけで、方針と実態のズレは、長期で運用を続けるうえでの大きな障害にもなります。

崩れたポートフォリオをAIの指摘で軌道修正

これから投資を始めるという人は、シンプルに「自分に合ったポートフォリオを提案して」とプロジェクトに入力してみてください。あなたの軸に沿った複数の戦略を、比較表つきで提示してくれるでしょう。投資可能な金額を入力すれば、具体的にどの銘柄をいくらずつ買えるかという現実的な計画にまで落とし込んでくれます。

最適なポートフォリオ戦略を提案してもらおう

すでに投資を始めているという人も、ぜひ今のポートフォリオを診断してもらいましょう。証券会社のサイトからポートフォリオのスクリーンショットを撮って貼り付ければ、問題点の指摘だけでなく、具体的な改善プランも提案してくれます。「長期分散で資産を確実に育てる」路線だったのに、たまたま流行りの銘柄で大きく勝った成功体験から売らずにいたら、その比率が巨大化して結果的に集中投資になっていた……といったような問題は、自分ではなかなか直視する機会がないもの。AIのチェックを役立てながら、早めの軌道修正を試みましょう。

(構成=本誌編集部)