※本稿は、藤田晋、堀江貴文『心を鍛える』(角川文庫)の一部を再編集したものです。
なぜプロ野球球団の買収に乗り出したのか
離婚後、孤独を乗り越えてエネルギッシュになれた僕は、球団買収に乗り出した。
「野球界を良くしたい」という思いからだ。でも、関係者からは好意的に迎えられなかった。僕がどうやって旧弊な勢力と戦ったのか。その騒動についてお話ししたい。
「古い世代に楯突くなんて」とビビりがちな人にこそ、読んでほしい。
僕は運動が苦手だったので、野球選手になりたいと思ったことは一度もない。試合を観るよりも、「プロ野球選手名鑑」のようなデータブックを読むのが好きだった。
野球チームのマネジメント的な役割を担う人がいることなんて、子ども時代は知らなかったが、そういうものへの憧れはあったのかもしれない。
2003年の年末、講演会で福岡に招かれた僕は、ダイエーホークスの社員さんと話す機会があった。
「堀江さんの会社で、ダイエーを買ってくれませんか?」
冗談めいた口調だったが、彼は身売りの噂が流れていることを憂いていた。
「前向きに進めたい」と言われるも音信不通に……
「さすがに、うちの体力ではダイエーは買えないだろう」と思ったが、その後、近鉄が身売り先を探しているという報道が飛び込んできた。大赤字を抱えていると聞き、連絡を取ってみると、近鉄からは「前向きに進めていきましょうか」という回答をもらった。しかし、ほどなくして近鉄側と音信不通になってしまう。
おかしいなと思っていると、オリックスとの合併話が進んでいると聞こえてきた。
仕方なくあきらめていたところに、「近鉄とオリックスとの合併話が難航している」と教えてくれる楽天の人がいた。
そこで僕の情熱もよみがえってきた。「三木谷さんが名乗りを上げることはない?」と確認したところ、彼は「ない」と答えてくれた(このやりとりが後々、大きな伏線となる……)。そこで、僕は安心して買収に本腰を入れることにした。


