スマホも「自ら発信」すれば認知症予防に

情報のやり取りも、受け取るだけでなく「自分から発信する」ことを意識してみてください。誰かにメールを打つ、手紙を書く、あるいは電話で近況を伝える。こうした行動には、自分の頭の中で情報を整理し、相手に伝わる言葉へと組み立てる作業が必要です。

現代の生活に欠かせないスマートフォンも、使い方次第です。動画を「ただぼんやり見ているだけ」では、脳は受け身になります。一方で、「動画を撮って家族に送る」「感想を誰かに伝える」といった、何かを作る・伝える側になれば、脳の働き方は大きく変わります。「どうすれば伝わるか」を考える能動的な作業になるからです。脳を鍛えるという意味では、圧倒的に後者のほうが効果的だと言えるでしょう。

「脳のため」と嫌なことを無理にやらせるのは逆効果

最後に、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。

安藤なつ(メイプル超合金)、繁田雅弘『知っトク認知症 家族と本人が自分らしく暮らし続ける超入門』(KADOKAWA)
安藤なつ(メイプル超合金)、繁田雅弘『知っトク認知症 家族と本人が自分らしく暮らし続ける超入門』(KADOKAWA)

「脳のために良いから」といって、本人が嫌がっているドリルや活動を無理にやらせるのは逆効果になることがあります。

人は、嫌なことを強いられると強いストレスを感じます。そのストレスが不安を強め、自信を失わせ、かえって元気を奪ってしまうこともあります。

脳を活性化させる一番の条件は、本人が「楽しい」と感じることです。楽しさや興味があると、人は自然と集中し、脳のさまざまな領域が活発に働くようになります。ドリルが好きならドリルを、歌が好きなら歌を、散歩が好きなら散歩を。もし何もしたくない時期であれば、無理をさせず、リラックスできる時間を大切にしてください。

「脳トレ」という言葉に縛られ、特別な何かをしなければと焦る必要はありません。誰かと挨拶を交わし、おいしいものを作って食べ、少し外を歩いて季節を感じる。そうした当たり前の暮らしこそが、あなた自身や家族の脳を最後まで支えてくれるはずです。

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