事故直後の「スマホ撮影」を忘れないで

過失割合がどのように影響するかを具体的に考えてみましょう。

例えば、事故の損害額が100万円の場合、「7対3」という過失割合なら、過失が70%ある側は70万円、過失が30%の側は30万円を負担します。

過失割合が1割違うだけで、金銭的な負担が大きく変わることになるため、細かな注意義務の判断が非常に重要です。

実務上よくある例では、交差点での出会い頭事故、駐車場内での事故、急ブレーキによる追突事故など、それぞれの状況によって判例が異なります。例えば、交差点で一方が一時停止を怠った場合、明確にその側の過失割合が高くなります。

事故直後の対応が、後の交渉に大きく影響します。まず絶対に忘れてはいけないのが「証拠保全」です。最近はドライブレコーダーが有力な証拠として活躍しますが、ドライバー自身が事故現場の写真をスマホで撮影することも重要です。

「相手が良い人だったから」と安心して口約束で済ませるのもNGです。口約束で済ませてしまった結果、相手と連絡が取れなくなったりするケースを弁護士としてたくさん経験しています。事故現場の状況や車両の位置、信号の色までできるだけ詳細に記録しておきましょう。

「バイクすりぬけ」による巻き込み事故はどうなるか

また、保険会社任せも禁物です。ときには「担当者が変わったら話が違う!」なんてことも。過失割合に納得がいかない場合は、遠慮せず弁護士に相談するのがベストです。現在は、弁護士費用特約が付いている保険も多く、そうした保険に入っていれば弁護士費用を保険会社が支払ってくれます。

では、このイラストのように、左折した車とバイクがぶつかった場合の過失割合はどうなると思いますか?

“車の過失8割”になる事故例

コンビニに入ろうと左折した瞬間、横をすり抜けてきたバイクとぶつかった。多くの人が一度は見たことがある光景ですが、いざ当事者になると「どっちが悪いの?」と頭が真っ白になってしまいます。あなたはどちらの過失が重いと思いますか?

今回取り上げる事例は、車が左折してコンビニに入ろうとしたところ、左側をすり抜けてきたバイクと衝突したケースです。バイクに乗る人からすれば「車が突然曲がってきた!」となりますし、車側としては「いきなりバイクが出てきた!」と感じる事故です。実際、このような事故は日常的に発生していますが、双方ともまさか自分が事故に巻き込まれるとは思っていません。